第3話母親の場合
うちの母親は兎に角苦労人である。祖父を内職しながら、20年在宅介護してきた。僕と弟が中学生になると、在宅介護は半日は僕たちが受け持ち、父はトラック運転手、母は介護施設で働いた。
結構、2人で稼いでいたが、在宅介護と兼業する農家なのでそれにはお金が必要なので金持ちとは程遠かった。
高校生になると、僕らはバイトをしていたが、そのバイト代を母は借りていた。
必ず給料日には戻ってきたが。
未成年のバイト代をあてにする親。
祖父が亡くなっても、貧乏は続いた。
僕が大学に進学すると、間も無く母は子宮がんになる。4年前に乳ガンの手術をしていたので、深刻でステージ3であった。
僕は大学を中退した。
その後、母は元気になり定年まで介護の仕事をした。
いよいよ、老夫婦でお金に余裕が出来たが、父が事故死する。
葬式に400万円かかった。また、文無しになってしまう。
そして、故郷を放れ、現在同じマンションに住んでいる。
とても、厚生年金だけでは生活出来ず、近くの老人ホームでパートをしている。75歳まで働くそうだ。
母が軌道に乗るまで、お金を作り渡した。
僕は既に37万円借金した。貸してくれた人がまた、とても親切な方で返済はゆっくりでいいよ!と、言われて涙がでるくらい感謝している。
弟の上棟式の贈り物も、母は買えるお金を持っていなかったので、貸してあげた。
母は働いても働いても、お金に余裕がない。
ワーキングプアなのだ。
だが、恐らく8月くらいから生活が上向きになれるのではなかろうか。
そんな母のためにも、早く働いて楽させてあげたい。
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