閑話3 学内小会議室C【退魔師の内緒話】
【盤動 天梨紗】
私も含めて、みんなが酷く憔悴している。
「すまないな盤動さん、君を星崎に紹介する場のはずが、あまりの事に話が脱線してしまった」
「いえ、それよりも皆さんは、あの嵐みたいな状況で、どうして普通に会話が出来るんですか?」
あれっ? 皆さん、唖然とした顔で『こいつ、なにを言っているんだ』という感じで見られてます。
「天梨紗ちゃん、あなた霊気の眼を閉じる訓練はやって無いの?」
「いえ、やった事はありますけど、それを使わないといけないんですか?」
「今日はまだ大丈夫だったけど、あの嵐が竜巻に変わるんだよ。ちゃんと眼を閉じないと神経に負担がかかるわよ」
ちょっと待ってください・・・・
「あれ・・・まだ上がるんですか?」
「今日は穏やかだったよな
「ああ、キャラクター作成だから助かったな、
「すまない、急いで手配をしないといけなかったんだ、ちょっと電話するね」
だれかと通話をはじめた。
「ああ、景浦さん。会社の隣にある、あの作業小屋の中を金属や石の加工部屋にしたい。そうだ星崎に使わせる。
爺さんが使ってたという風にしたいから、中は中古機器で揃えてくれ。そんなに大きな物は加工しない設定で、少々費用がかさんでもまったく問題ない、早急に頼む」
「
「ああ、こんな物を見せられたんだ。これで資材と工具があればどんな術具が出来上がるか」
そう言いながら、木箱を持つ手をずっと見つめている。
「そうね、この勾玉が1年持たないなんて、それを聞いた時の絶望感は無かったわ」
「ああ、この独鈷杵が木製だと聞いた時、とれだけため息が出るのを抑え込んだか」
「そういえば、天梨紗ちゃん。あなた結局、ロザリオも本も持ってこなかったのね?」
沙姫さん・・・なんて事を言うんですか?
「無理ですよ沙姫さん、私、初対面ですよ。あんなの持って帰る度胸ありません」
「でも、あのロザリオだけで一時的に天梨紗ちゃんの霊力の底上げになりそうだし。
あの本なんか、巌止教会の結界の基点にも届きそうな代物じゃ無かった?」
「思いました。思いましたけど手は出せないですよ」
人として、越えてはいけない一線があるんです。
「まあ、次はアルバイトの話も出来るし、加工部屋の話も出来そうだ。
そうなれば金属加工や石の加工も出来て、それこそ絶華に伝わる品以外で新たに使用の出来る強力な術具が出来るかもしれない」
「この木製品やレジン? の物でも1年は使えるのね」
「ああ、これを見せれば実家の古株達の説得も容易いな。封滅堂の中も少しは整理して、せめて次の世代にかかる負担くらいは軽くしたいもんだ」
「志堂さん、ウチは次世代どころか数か月持たないんで、何卒優先で対処をお願いします」
「頑張れ、偽女子大生。明日は竜巻だぞ」
「頑張りますが、さすがに昼休みに高校は抜け出せません。そこのところフォローをお願いします」
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