2日目 月曜日
早起きした。
今日は七瀬さんと同棲して初めての学校だもの。
そりゃ早起きするでしょ。
かと言って七瀬さんの無防備な姿は見たくない!から···うん。ゲームしよ。
これは誰にも言ってないけど、僕はゲーマーとしてゲーム実況者、配信者をやっているんだ。
朝に配信はやったことないし、多分リスナーのみんなも起きてないだろうし、配信せずに普通にゲームしよう。
僕のやっているゲームはいわゆるロールプレイグゲームで、リスナーのみんなと一緒に任務を達成したり、同じ配信者でチームを作ってゲームをやっている。
他にもいろんなゲームをしてるけど、またの機会に紹介しよう。
しばらくゲームをしてると、ドアを叩く音がして、「斉藤君おはよう。ご飯作ったから食べよう。」と七瀬さんが言ってきた。
そうこうしている内に七瀬さんは朝御飯を作ってくれた。
ご飯を食べてる間は七瀬さんがこちらを見つめてきたので、「美味しいよ。」と言って後はさっさとご飯を食べた。
それからはお互い学校に行く準備をして、時間帯をずらして登校した。
同棲しているとはいえ、学校のマドンナである七瀬さんとの事が周りに知れ渡れば何て言われるか分かったもんじゃない。
七瀬さんにはファンクラブがあるから。
授業中も他人のフリをすることを七瀬さんと確認しているし、お互いチラチラ見ることがなければ勘づかれないだろう。
今日は一日中授業の内容で頭をいっぱいにして、七瀬さんのことを考えないようにした。
そのせいだろうか。家に着いて七瀬さんが帰ってくるまで七瀬さんと同棲していることを忘れていた。勉強というものは恐ろしい。
今日の晩御飯は、七瀬さん特製の鶏肉の唐揚げらしくて、部屋にいても匂いがリビングへと誘っていた。
「美味しい。」そう言うと七瀬さんはとても嬉しそうな口調でよかったと言った。
それからはホカホカした雰囲気のままそれぞれの自室に入った。
明日は早起きして朝御飯を作ろう。
ご飯と味噌汁にしようかな。定番だろう。
それに初日よりはだいぶリラックスしてくれていると思う。
でも、七瀬さんにはまだ冷たいというか、無表情な部分があると思う。
毎日にこやかに笑っている姿を見てみたいな。そう思いながら、目を閉じた。
***
今日は斉藤君が学校の二時間前に起きていた。
何してるのか気になったけど、朝の準備をしている間にそっと覗いたらパソコンでゲームをしていた。
斉藤君ゲームするんだ。私も今度パソコン買ってみようかな。でもお金無いや。
話せるきっかけになればいいんだけど。大丈夫かな?
斉藤君が夜ご飯の唐揚げを美味しいって言ってくれて嬉しかった。また作ろう。
思えば久しぶりに嬉しいって感情が出た気がする。斉藤君に感謝しなきゃ。明日の何にしようかな。楽しみだ。
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