詩織さんの裏話


ああ……やっちゃった。


つい数時間前の事を思い出す。

お風呂に上がって、こっそり飼っていた浴衣を着て、彼の和室に突入。

ここまでは良かった。

全て計画通りだったから。


でも、ここから私はどうかしていたんだと思う。


まさか、理性に負けるなんて。


本当はおやすみのキスだけをしようと思ったんだけど。


思わず、先に進んでしまった。


後悔は……していない。


計画していた予定よりも早く失っちゃったけど、代わりに悠くんを手に入れたから。


貴方の全てを。


最初は戸惑っていた悠くんも、最後の方では本気になってた。


悠くんらしいやり方で。


やっぱり、悠くんは悠くんじゃないと。


知ってるんだよ?


貴方が好きなやり方は。


パソコンの履歴は全て見てるから。


だから、無理しなくて良いよ。


私は全て受け入れてあげる。


ふと顔を動かす。

すると、そこにはさっきまで起きていた彼の寝顔。

口をポカーン開けて、瞳を閉じている姿は、さっきまでの彼とは違い、守ってあげたくなる。


ふふ……可愛い。


ねぇ、起きてる?


寝てても良いよ。


これは私の独り言。


だから言っちゃうね。


もう逃さないから。


愛しい悠くん。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

僕が言ってしまったある一言のせいで、無表情系幼馴染がグイグイ来る。 綿宮 望 @watamiya

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ