第6話 インターミッション
〜〜〜 インターミッション 〜〜〜
1月中旬のある日の午後、わたしは店長PCで予約表を確認中・・・
ん〜やっぱり月の中ばは予約が少ないな・・・今日は17時から20時の間、4名か・・・
1日平均¥85,000が売上目標だから・・・客単価を¥4,500平均とすると・・・やっぱり今日は4名分少ないか・・・ま、しょうがないな・・・
そこへ・・・「店長、なに渋い顔してんですか? あ、売上ですね・・・1月中旬ってやっぱり少ないですね」とチーフ。
「そうなんだよね。 でも年末・年始から成人式にかけて、ものすごい売上だったからさ、めっちゃ落ち込んで見えるんだよね」
「・・・店長は売上だけ気にしてればいいけど、あたしたちは修羅場だったんですからねっ!」
「まぁまぁ、そう怒らないでよ。 わたしだって手伝ったじゃないか〜」
「ま、まぁ・・・そ、そうですけど・・・」
「それに新規のお客さん獲得できたし、それに!チーフ指名の次回予約も取れただろ? みんなラムちゃんやタヅサちゃん(ぴーちゃん・岸本タヅサ)たちのお陰だよ」
普段は役職名で呼んでるが、ここは『ヨイショ!』ターンなので名前で呼ぶ。
「え、えへへ・・・そう店長に言われちゃうとネイリスト冥利に尽きるわ〜」
「なんだそりゃ(笑) だけどなチーフ、次は『バレンタインデー』が控えてるんだぞ?」
「あ〜〜っ! そうだった! そしてそれから『ひな祭り』『ホワイトデー』と『卒業式』と『入学式』と・・・はぅぅ」
「だから、今日くらいは次のお客様来店の17時まで、少しゆっくりしないとね」
「・・・じゃあさ〜、てんちょ〜・・・」
チーフが『てんちょ〜』と言い出すとろくなことが起こらない気がする・・・案の定、『てんちょ〜着せ替えコーデbyラムちゃん♥』が始まってしまった・・・
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「・・・でも、つくづくてんちょ〜ってズルいわ〜」
「なにそれ?」
「フツメン中年のくせに女子ると若返ってめっちゃ可愛くなっちゃうでしょ? 身長だってわたしより低くなっちゃって、金髪だし、おまけに赤目!・・・それってなんで〜? あ、でも胸はわたしのが大きいけどね!」
「フツメン中年言うなよ・・・なんでかは、わたしもわからないし・・・普通のTS娘は見た目も実年齢なんだけどね・・・」
「えっ、店長って特殊なの? 希少生物? 特別天然記念物??」
「人を人外扱いして・・・もっともTS娘自体特殊だしね・・・だから学園卒業後も年1回の『検査』があるんだよ」
「あ、そうですね! 8月のいっちばん忙しいときに2〜3日いないんですもんね!」
「『検査』日は初回の後、毎年同じ時期って決まっちゃってるんだよ・・・あと『TS証明書』の更新とかあるんだ。 まぁ女子化のお陰でこのネイルサロンがあるんだし、こうして着せ替えコーデもできるしさ」
「なんか『車検』みたいですね(笑)」
「車かい!」
(しかし・・・自分だけなんで年齢固定で金髪赤目なんだ? それに他のTS娘は『検査』日も1日だけだって聞いたし・・・)
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