第2話 狂犬

おっちゃんは少し考えた後こう言った。

「昨日の戦闘が響いたのか?かなり苦戦していたようだが…」

「まず何から話そうか…」


「狂犬について教えてよ」

思い切って聞いてみた。

「教えても何も、狂犬はお前の名だ」

「より詳しく言うなら、お前は孤児で名前が分からなかった。そして俺がお前を拾ってやった。つまり俺が名付け親だ」

「なんで狂犬にしたんだ?」

「そりゃあお前が大の戦闘好きで、誰とでも直ぐに噛み付くように戦闘してたからだな」

「僕が…?」

「まるで今のお前からは想像出来んがな」

そう言っておっちゃんは笑った。


「狂犬、能力については覚えているか?」

少し考えたが、思い出せなかった。

「覚えて居ない見たいだな…」

「ごめん…」

「謝る必要は無いさ。一から俺が説明してやる」

そう言っておっちゃんは説明を始めた。

おっちゃんの話を簡潔に纏めると


・この世界の全人類は、ある日を境に能力を発現した。

・日本は能力の力に溺れ、あらゆる所で日常的に戦闘が起こるようになった。

・日本は現在四天王と呼ばれる4人の強力な能力者が支配している。

・僕の能力は「リターン」。10秒前までの自分がいた位置に飛ぶことが出来る。


僕は頭が追いつかなかった。

「理解が追いつかないのも無理はない。今からじっくり頭の中を整理するといいさ。」

おっちゃんはそう言って笑った。


数時間後


僕は話を聞いたあと暫く考えていた。

「おっちゃん、俺決めたよ」

「何をだ?」

「俺…一人で旅に出る事にしたよ」

おっちゃんは驚いた顔をした。

少し黙り込んだ後

「そうか…。お前一人でやって行けるのか?以前のお前なら許可したかも知れない。しかし今となってはお前はただの孤児だ」

「ごめん。もう決心したんだ。何時までもおっちゃんのとこでお世話になるのは、なんだか違うと思うんだ。許可してくれないか?」

おっちゃんはまた少し考えた後

「ダメだ。許可はできない。」

「なんで…?」

僕はてっきり許可されると思っていたので、困惑した。

「許可するには条件がある。」

「その条件って?」

「俺の訓練を受け、合格してもらう」

「でないとお前を旅には出せない。」

「分かった。訓練を受けるよ」

僕は即決した。

「即決か。良いやる気だな!」

「早速明日から、訓練を開始するぞ。」

「おう!」

僕は元気よく返事をした。






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