第18話 登録完了っ!
※本日二話目の投稿です。
もし前話を読み飛ばされた方は、先に《第17話 ようやく冒険者──》からお読みください。
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ふっ、吹き飛ば…ふぎゅっ!?「ふぐぉっ!?」
なっ…なにこれっなんかビリッてきたっ!? ビリッパーンッ!!って手のひら吹っ飛ばされたっ!!
つーか勢い余って腕ごとバチコン後ろに飛ばされたぞっ?!
「はっ、あっふっ…………はぁ~、ビックリしたぁ。腕千切れ飛んだかと思った……」
まだ手がジンジン痛むけど大丈夫そうだし、後ろに
また床に叩きつけられて噴水前送られずに済んだぜ。
なんか
まぁさっき俺を笑った報いをチャラにしてやっからノーカンな。
それにしてもなんか辺りが煙たいし、いったい何があったんだいコメントやーい。
……ほんほん、俺が箱に手を置いてしばらくしたら放電が起こって、スパーク音と共に火花が散って爆発。
それで俺の腕が弾き飛ばされ、勢いままに身体ごと腕に持ってかれて後ろの男にグーで腹パン決めた。と……なんか古い洋物映画にありそうなシーンだな。
「……………………あっ!? だっ、大丈夫っ?!」
んっ? 唖然としたまま固まってた青髪さんがようやく動いたか、この慌て様から察するに俺が吹き飛ばされたのは想定外の事態だったのか。
「んっ、ランはだいじょぶですよ」
手の痛みも引いてきたし問題なし。
「はぁ、良かったぁ~。それにしてもなんでこんなことに……故障かな? それなら別の登録機でやり直し…あら?」
またやり直しかぁ、なんてげんなり聞いてたら青髪さんが爆発した箱から何かを見つけたようだ。
その見つけた小さな板のような物を持ち上げてマジマジと見調べたり、カウンターに置かれた機材?みたいなのに板を差し込んだりしていった。
「ええっと、名前はランちゃん…でいいのよね?……ちゃんと出来てる、わね」
途中名前を訊ねられたので頷き返すと、板を見返し何かが出来たとわかったらしい。
たぶん流れ的に名前の刻印入り冒険者プレートみたいな物が完成したんだろうな。
「ランちゃんランちゃん。これが冒険者証明のタグなんだけどね、見た目は問題ないけど機能が壊れてないか確認したいからちょっと触ってもらってもいい?
登録者本人以外はタグの機能を展開できない代物だから、ランちゃんにやってもらわないといけないの」
頷き手渡されたタグは黒みがかった薄い金属片って感じだな。ちゃんと名前や冒険者ランク、それと裏面に製造番号?のような長い数列が刻まれていた。
ちなみに今のランクはHのようだ。
「それで、これをどうすればいいです?」
チョンチョンと指先でタグをつついてみたが、特に変化などはない。なにか特定の動作が必要なのだろう。
見た感じはシンプルだけど、こんなのに認証機能なんて付いてんのかこのタグ。まぁゲームだしそこはいいか。
必要なときに結局使えませんでした! なんて嫌だし確認するけどさ……またビリッてしたりしない?
「そのタグはさっきみたいに爆発したりしないから安心して。使い方は頭の中で『開け』って思いながらタグに触れるだけで大丈夫よ」
ビビってたのがバレてたようだが無視して言われた通りにしてみると、タグを起点に半透明のウィンドウがポップアップされた。
「うん、使用者登録もされてるしそっちの機能も問題なさそうね」
どうやらこれが正常な動作のようだな。
ざっとウィンドウに表示されたメニューを眺めてみると登録者情報や依頼一覧、メモ帳に地図情報など冒険者活動にあると便利そうな機能をひとまとめしたモノのようだ。
「そこに表示されてる依頼一覧の項目を選ぶと、自分のランク帯で受けられる依頼が提示されるから、そこからやりたい依頼を選んで下部に記載されてる受注を押せば受注完了ね。
受けた依頼を達成したらギルドに報告に来ること、そこで依頼達成料を支払うからね。あと報告に来ないと次の依頼を受けられなくなっちゃうからそこも注意ね。
それともし受注した依頼に失敗したりキャンセルすると、ランクに影響したり、違約金を請求されることがあるから自分の実力にあった依頼を選ぶこと!」
どれ…うん、街周辺の魔物討伐に採取、街中各所のお手伝い的な軽作業にドブさらい、と……
さすがにゲームでドブさらいをやりたいヤツおらんだろ? まぁこれも駆け出し冒険者感出すためのフレーバー要素の依頼ってところか。
「もし自分に向いた依頼がわからなかったら依頼一覧のオススメ表示を選ぶと適正依頼を選び抜いてくれるわ。
もっとも今は登録したばかりだから、オススメ表示はギルド発行の研修用Hランク依頼の全部が表示されちゃうだろうけどね。あっ、研修用って言ってもちゃんとお金は出るからね」
なるほど、いかにも定番って依頼しか見当たらないのは研修用だからなのね。それじゃ全部簡単な初級だからそれがオススメされるわな。
「それでGランクからはギルドからだけじゃなく、外部の人からの依頼や、特定の条件を満たした人への特殊依頼とかも受けられるようになるの。
特定の条件が付いた特殊依頼は公開と非公開の2種類があって、条件が公開されているのは該当する可能性があれば一覧に表示されるけど、条件を完全に満たすまでは受注の文字が灰色になって選べなくなってるの。
条件非公開の依頼は一覧に表示されてたら、その条件を満たしてる人物だからすぐに受けられるわ」
ふーん、条件付きの特殊依頼ってのはシークレットクエストとか種族クエストとかの一種かな?
そういうのは割りが良かったり、強くなるのに役立ったりするものがありそうだから積極的に受けた方がお得な依頼ってヤツなのかもな。特に後者の条件非公開の特殊依頼は。
「最後に注意事項ね。タグの項目に手配リストがあるんだけど、それは随時更新されてるわ。
けど依頼一覧や地図情報とか、他にもあるけどそれらの情報は冒険者ギルドに立ち寄らないと更新されないから注意してね?
依頼受注はどこからでも出来るけど、古い情報で受注すると実はもう取り下げられた依頼でした~、なんてこともあるからなるべくギルド内で依頼を選んだ方がいいわよ。
それと地図情報は重要だからね? 各地の危険情報や通行情報、他にも色々含んだ地図の情報更新がされるから、依頼を受けてなくても街の外に出る前に一度立ち寄った方がいいわよ」
へぇ〜、手配リストなんてのもあったのか……むっ? それ以外は自動更新じゃないのか。ここに来て面倒な仕様が出たな。
どこでも依頼を受けられるなら勝手に更新してくれればいいものをなんで…あーそっか、そういやこのゲーム
犯罪を犯してレッドネームになるリスクの一つとして
それにもし手配犯が更新に来るようなら、取っ捕まえれるかもだしな。
逆に冒険者には必ず街道情報を更新させるため、依頼一覧の更新にギルドへ立ち寄る必要があるようにしてるのか。
それでどこでも受注できるようにしてるのは、達成に運が絡むような確実性のない依頼が遂行できそうな状況の時のためなのかも。
まぁどのみち冒険者に関しては制限の割りを食って、達成しても無駄骨になることもありそうだけど。
「そのタグについてはこんなところね。あとは自分で色々触って確認してね。
タグの項目の中にギルド紹介ってのがあるから、そこから冒険者ギルドを開くとギルド規約とか今の説明とかが載ってるから、暇なときに目を通しておいてね?」
おぉう…なんかしれっと重要そうなのタグのヘルプに丸投げしてやがるぞ。
ゲームなんだし現実みたいにガッチガチの規約ってワケでもないから省いたのか?
それに長々説明が続いてもってもんだし、依頼の受け方とタグの使い方さえ教えればあとはどうとでもなるか。
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次話は午前0時投稿予定です。
これからしばらくは一日一話投稿していくつもりです。
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