第4話
私はこう見えて、中学生の頃は自分のココロをはっきり言うタイプの人間だった。誰かが陰口を言われてたら同調せずに「私はそう思わない」って言えるくらいには強かった。みんなに合わせて誰かを傷つけるくらいなら嫌われても良いというくらいの気持ちでいた。
そんな私が変わったのは中学2年の冬のことだった。
当時、私はクラスの5人グループに所属していた。
そんな私たちをまとめていたのが
そんな楽しい日々は突然終わりを告げた。
ある日、登校した私をグループのみんなが囲った。
「え……?どうしたのみんなして?」
そう私が言うとグループの1人である
「どうしてじゃない。なんで花音のこと裏切ったの?」
「うらぎった……?」
花音ちゃんの方を見ると、俯いていて表情は見えなかった。
理解出来ずにいる私を見て、みんなが私を睨む。
「
「日向くんがどうしたの?」
日向くんは花音ちゃんが小学生の頃から思いを寄せている相手であり、花音ちゃんは私たちによく恋愛相談をしていた。なので、私も花音ちゃん繋がりで話したりはしていたけど……。
「えっと……何も思い当たることないんだけど……」
恐る恐るそう言うと、グループのみんなは急に興味を無くしたように行ってしまった。
何が何だか分からなかったけど、日向くんにまつわるトラブルなんて無かったはずだから、きっと勘違いだと分かってくれたんだ。だって、みんなはいつも私を庇ってくれたんだから。
何故か不安は拭えなかったけれど、私はいつも通りに過ごした。
その不安は的中した。
だんだんと教室移動の時に置いていかれるようになり、会話にも混ざらせてくれなくなった。
みんなは勘違いしてるだけだから、話せば分かってもらえる。そう思って私はみんなを呼び止めた。
「あ、あのね!なんか分かんないけど……なんでみんなとチグハグしちゃうのか分かんなかったから、事情をちゃんと教えて欲しくて……!だから、前みんなで行きたいねって行ってたカフェのスイーツ食べながら、話せたらなって思うんだけど……」
私の言葉を聞いて、みんなは動きを止めた。
そして……早希ちゃんは私に告げた。
「は?え、なにそれ。あんたなんかと出かけるわけないじゃん」
「え……?」
私は理解出来なかった。
「だ、だって、みんなで行きたいねって話したでしょ?それに!みんな勘違いしてることあるみたいだから、ちゃんと話し合いたいなって思って……」
「あのさぁ、私たちが今まで行きたいって言った店、あんた行ったことある?」
「な、無い……けど……」
「当たり前でしょ、あんた誘ってないんだから」
私は何を言われてるか理解出来なかった。
「ちょっと待って、ホントにウチらと仲良いと思ってたの?あんたがクラスで孤立してたから、しょうがなく私たちのグループに入れてあげてたの忘れたわけ?そうじゃなかったら、あんたみたいなタイプ仲良くしないし」
「ホント、自分が正しいですって感じで協調性無いしねー。なんでもかんでも自分の気持ち言えば良いってもんじゃないのに」
「ねー」
そう言ってクスクス笑うみんな。
そして、最後に早希ちゃんが
「あんたみたいな性格のやつと友達になってくれる奴なんて居ねーんだよ!!」
そう言った瞬間、私の心は砕けた。
ずっと仲が良いと思っていた友達は、クラスで孤立している私を仲間にすることで、クラスメイトたちから優しいという評価を貰いたかっただけ。私はもともと友達なんかじゃなかったんだ……
ショックを受けるから私を置いて、みんなは行ってしまった……。
花音だけが心配そうに振り返っていたが、香奈が気づくことはなかった……。
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