第8話 黒幕


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「君は、誰だ?リィーシャじゃないな?」


「嫌ですね。私、リィーシャですよ?ロズワード様が1番知っているのではないですか?」


「僕が知っているのは、本物のリィーシャだ。君じゃないよ、




 リィーシャが帰ってきたと思ったけれど、帰ってきた人は、僕の想い人ではない。僕と想い人の仲を引き裂こうとした悪魔だった。


 悪魔の2つ名は、夾竹桃キョウチクトウ。今は、リィーシャのような格好をしているけれど、悪魔は許されない行動をした。


 正直に言えば許してやったけれど、もうダメだ。ハルレーシェ家を敵にまわした事は後悔させてやる。




「な、何を言っているんですか?私をリィーシャだと信じてくれないんですか?」


「そうか。まだシラをきるつもりなんだね?いいよ。とことん証言してあげるよ」


「一体何を……」


「まずは、空気で違和感を感じたよ。次に、身長かな。そして、極めつけは、僕があげた四角形の立方体の飾り。以上かな」


「空気?身長?飾り?何を言うかと思えば、そんな事で私をリィーシャじゃないって決めつけるの?」


「決めつけるのには、十分だ。まずは、空気。僕は『薔薇』って呼ばれるぐらいだから綺麗な水と空気に目がないんだよね。で、リィーシャの周りは、いつも空気が綺麗。でも、君からは、ドロドロに汚れた空気が周りに集まっている。リィーシャだったら、不自然なぐらいに。ちなみに、リィーシャには、伝えてないけれどこの家の人達空気で人判別できるから」


「それって、すごく失礼じゃない?!」


「2つ目。身長は、君の方が高い。リィーシャの身長は、152cm程だけれど、明らかに少し高い。リィーシャの靴に厚底ブーツはなかったし、今君の履いている靴も厚底ではない。ということは、身長詐称はしていない」


「それは、目の錯覚よ。ちょっとだけなら、誤差の範囲でしょ?」


「3つ目。これが決定打。飾りは、僕とリィーシャが持っている。逆に他の人は持てない。あの飾りは、リィーシャが近くにいると、反応して淡く光るんだ。僕も持っているけれど、微塵も反応していない。これで、君がリィーシャじゃない理由が全部出たよ。どう捉える?」


「……」





 夾竹桃は、悔しがっているようだった。早くリィーシャの場所を教えてくれるといいんだが。そう思っていたら。




「……何でよ」


「諦めて、リィーシャの場所を教えるんだ。君の処分は、追って話す」


「何で何で何でよ!何であの女に負けるのよ?!私は、あの女よりもあなたのために尽くすし、あの女よりも可愛いし、何であの女を選ぶの?!」




 夾竹桃は、暴走をはじめた。夾竹桃の能力である、指先から夾竹桃のを撒き散らしながら、僕に突進してきた。


 だから、茨のつるで、夾竹桃を巻き上げた。こうなったら、いつか危険な目に会うだろう。だが、悪魔の行く末だから、僕達は気にしない。


 リィーシャの居場所は、飾りがあればどこにいるかわかる。だから、別に夾竹桃に聞く意味がない。最後のチャンスだった。




「姉ちゃん、オレーレ。ちょっとリィーシャ探しに言ってくるね」


「行ってらっしゃい。くれぐれも気をつけるのよ、ロズ」


「行ってらっしゃいませ、当主様」


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 よく分からない倉庫に連れてこられて、出られなくなっています。何時間経ったのかも分かりません。さすがに、怖くなりました。


 早く、この扉が開きますようにと思ったら。バンッと扉が開いて、そこには、私が待ち望んでいた相手が来ました。




「ごめん、遅くなった。リィーシャ、大丈夫だったか?」

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