第7話 消えた鈴蘭姫


 ロズワード様の屋敷に来てから、30日たった。大体1ヶ月くらい。大分屋敷に慣れてきた。


 さて、1ヶ月も屋敷にいると、嫌でも不便な場所がどこかわかる。私の家と、ロズワード様の家は、天と地程の差だった。私の家が地の方だけれど、懐かしさは我が家の方が上だった。


 私が不便だと思うのは、第2倉庫だった。第1倉庫と第3倉庫は別にそこまで問題はない。私が問題視しているのは、第2倉庫だけだ。


 なぜ、第2倉庫を危険視しているかと言うと、第2倉庫は少し高い所にある。いくらなんでも、その倉庫は落ちてきた時危ないから、不便というか、安全性が問題視される。


 だから、ロズワード様に今日直接直談判をする予定だ。




「リィーシャ、どうしたの?君が話があるって、珍しいね」


「ロズワード様にお話したい事がありまして……。第2倉庫の安全性についてです」


「うーん、僕もあそこの倉庫は気になっていたんだよね。どうしたらいいかなぁ」


「あれは、どうすれば良いのですか?」


「僕的には、下ろした方がいいけど、下ろすにも専用の道具が必要だし、当日は周りに人が居ないようにしないといけない」


「じゃあ、専用の道具買いに行きますよ。必要なものを教えてくれれば、すぐに行きます」


「ありがとう。じゃあ、これとこれを買ってきてくれるかな?」


「分かりました。行ってきます」


「行ってらっしゃい」




 私は、買い物に出かけた。しかし、私はロズワード様の屋敷にすぐ帰れなかった。


 🌹

 🌹🌹

 🌹🌹🌹


「ねぇ、ロズ。リィーシャちゃん、なんで居ないの?おつかいに行ったの?」


「おつかいに行ってもらっているけど?どうしたの?」


「当主様。お嬢様曰く、リィーシャ様が帰ってきて居ない事に不信感を抱いているようです」


「リィーシャが?帰って来てない?」




 リィーシャをおつかいに行かせた後、リリー姉ちゃんとオレーレがリィーシャが居ないと言う話をしていた。


 でも、おつかいに行かせた所は、片道20分はかかるけれど、5時間前に出ていたはずだ。


 2人が言うのは、嘘でも無さそうだった。と言うことは、リィーシャは、何かの事件に巻き込まれた可能性が高い。


 とりあえず、リィーシャを探さないといけない。そう思っていたら、玄関に誰かがきたようだった。


 リィーシャかと思い、玄関に向かった。そこに居たのは、リィーシャに似た別人だった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る