9章:立ち向かう強さ

笑人が亡くなった事は、笑人のお母さんから聞いた。

実は笑人と話したバレンタインデーの日に、自分が死んだら親から限られた人にだけ、連絡が行くと言っていた。

もう3月だ。まだ引きこもりというやつだけど、私はある決心をした。

中学3年生から学校に戻ることにした。

笑人が安心して眠れるような、そんな生き方をする。

イジメは絶対にダメだ。誰かとの大事な人と一緒にいられる時間を奪う。

でも、イジメられたとしても「イジメられた」だけで終わらしたらダメなんだ。

逆に「イジメ返してやるぞ」の気持ちで生きなきゃいけないんだ。

そうやって生きる人が、本当の意味での強い人なのだ。

「光羽、学校に戻るの?」

青生に話すと彼女は笑った。

そうやって1個ずつ喜びを見つける作業から始める。

その喜びがたくさん集まれば、いつか大きな幸せになる。

それが「思い出」となる。

まだ見えぬ明日を自分の力で生きる。

それが今日を生きる自分の使命なのだー。

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