第14話 アイス

 ガランド砦の全軍が砦の中央広場に集まった。


 壇上にはダルネア師団長。


 そして我らギーグ分隊の面々は


 演壇の下右側に横に整列していた、全軍の方を向いて。


 全軍がこっちを見る好奇の目が痛い。早く逃げたい。




 ダルネア師団長の演説が始まった。


「みんなに、集まってもらったのは他でもない。


 我々の師団は、国からの特別任務を遂行するため、その準備として


 新しく見つかった、の習得に着手する事を決定した」


   全軍がどよめく


 「この第5魔法は、見た目こそ地味だが、


  取り扱いを誤れば、味方に死傷者が出かねない危険な魔法だ。


  それでも、今回の任務遂行には絶対必要な魔法だと考えている。


  そのため諸君らには、魔法の習得と集団魔法の運用訓練をやってもらいたい。


  このギーグ分隊は第5魔法を開発した、この魔法の専門家である」


  どよめきが大きくなる。


  「彼らを指導教官として、


   全軍が第5魔法を使えるよう訓練を開始して欲しい


   私からは以上だ」


   こうして、第5魔法標準化計画は始まった。


   実はヨル小隊には、既に第5魔法の指導は終わっている。


   なので、ヨル小隊所属の他のメンバーにエルザ大隊の指導を頼んで


   俺達ギーグ分隊のメンバーが他の大隊への指導に回ることになった。 




  師団長執務室


  「師団長大変です」


  「どうしたコード、そんなにあわてて?」


  「ニードを含め近隣の街から


   ラクト乳の買い占めをやめてくれと抗議がきています」


  「すまないが、おそらくラクト乳の需要は減らないだろう。 


   近隣の酪農家に補助金を出すから


   ラクト乳の増産を進めるように言っとくれ」


 


  ドギーの店


    コンコン「お父さん、お茶が入ったよ」


   「レナか入ってくれ」


   「お父さん、あれからジミー君やアリアから


    面白そうな注文はあったの?」


   「いや、ただ砦から大量の甘砂の注文が入ってね、


    もう在庫が無くて、他の街の在庫をかき集めている状態だよ」


   「うわ~」


   「それに近隣のラクト乳が、砦の魔法士に買い占められて、


    問題になっているという話だ」

  

   「もしかして・・・ジミー君?」


   「私には、他には思いつかないね」





  演習場


  「ギーグ分隊 魔石を中隊用に交換 凍氷とうひょう魔法詠唱準備」


  「「「「交換完了」」」」


  「右手に『』を握れ、俺の杖に向けて凍氷魔法詠唱開始」


  『フリーズ フリーズ フリーズ フリーズ ・・・・』


   すまない、右手のペンダントを何て呼ぶか


   話し合ったんだけど良いのが無かった


   結局、大流行した『アイスクリーム』から


   『アイス』と呼ぶ事に決まった。



   ザイド中隊長の詠唱キー『


   一抱え程の白い塊が目標に向かって飛んでいく


   あれ計算だと容積は150L 


   ドライアイスの比重が水の1.5倍程だから220kgくらいかな


   うん氷結とか窒息じゃないな・・・あれ質量兵器だ。


   質量兵器? あれは中隊魔法だから


   大隊魔法は 220kg×3=660kg 


   師団魔法は 660kg×3=1,980kg


   師団魔法は、高級乗用車1台くらいの重さ?


   これを師団長が目視出来る所に撃ち込める・・・・・


   今更だけど、俺の作ったこの魔法危ないよね


   こうしてサラマンダー攻略の準備が整った。




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