第7話 悪夢
俺は今、夢を見ているようだ。
訓練所の講義室に居る・・・
いつも通りの
黒板には
呪文と魔法の関係性 と書かれている。
「なんだったけ、これ?」
A「違う」
B「逆だ」
C「お前は知っている」
「いや、丸覚えしたけど、呪文は意味不明だろ? 」
A「違う」
B「逆だ」
C「お前は知っている」
「呪文と魔法に関係性あるの? 」
A「違う」
B「逆だ」
C「お前は知っている」
「よし、君の言う事を肯定すると・・・
俺は何か違っていて、
何かが逆で、
何かを知っていると言う事になるが
それでOK?」
A「・・・」
B「・・・」
C「・・・」
「マジか、正解かよ・・・・いったいなんなんだ? 」
呪文と魔法の関係性について
何か違っていて、
何か逆で、
何かを知っているか?
俺が知っている事?
なにかヒント無いのか?
黒板の文字は・・・
変わらず『呪文と魔法の関係性』だ・・・・あれ?
『呪文と魔法の関係性』
思わず・・二度見した、なんで?
『呪文と魔法の関係性』は日本語なんだ?
俺は日本で何を知っているんだ?
思い出せ、俺。
この活字見たことないか?
なんだ・・・論文か?
ピラミッド、遺跡、伝承・・・・そして、このマーク?
思い出した・・・・なんてこった
この耐え難い絶望と喪失感は
これは・・・これは
月刊モーの記事じゃねえか~~~~~~
老舗のオカルト雑誌 月刊モー
UFO UMA 怪奇現象 超古代文明 超能力 秘密結社etc
あらゆる方面をカバーするオカルト雑誌
やめろ、思い出すな俺
『呪文と魔法の関係性』ああ知っているよ、
この記事は隅から隅まで読んだよコノヤロー
わかってるよ、呪文に意味なんて無いんだ。
人間にはもともと能力があるけど、
スイッチ設定が出来てないんだ。
だから呪文とかホルスサインとか九字切とか結跏趺坐とか
日常、絶対やらないポーズや言葉をスイッチに決めて、
それに能力の方を結びつけるんだ。
その為の修行だったり訓練だったり瞑想や詠唱なんだ
これを
あー何か見える、
俺の部屋だ、懐かしいな本棚にモーが並んでいる
お~国書刊行会もあるぞ
ウェイト版タロットとトートタロット、
天野喜孝デザイン・タロットもある。
ダウジングロッドにダウジングペンデュラム・・・
やめろ・・・その引き出しは開けちゃいけない・・やめてくれ・・それだけは・・
「・・・・ミー」「・・・・ミー起きろ」「ジミー大丈夫か? 」
「大丈夫かジミー ちょっとありえないくらい うなされてたぞ」
「ありがとうございます、分隊長 助かりました」
「ジミー君?」
「リド、騒がせてすまなかったな」
「大丈夫、目覚めた?」
「ああ、これ以上ないくらい覚めちまった」
この夢が現実なのか? 嘘なのか? どうでもよくなった。
ただ一つ、これ以上ないくらい納得したことがあった。
赤・青・緑の呪文はやっぱりデタラメだ・・・
今日の訓練が終わって、あの夢の事を考えている。
正直、荒唐無稽な内容だが、
それを言うと俺の存在自体が荒唐無稽だった
俺がそれを否定するのもな・・・・とりあえずやってみるか。
『能力は既にある、スイッチ設定が出来てない』か?
実験・検証するにしてもどうする、
万が一発動しても危なく無い物かな?
・・・氷か、危なく無いし 成功すれば実益が・・だめだ雑念が
スイッチは呪文?
どうせ他人には意味不明だろうから
『フリーズ』連続でやってみるか?
夜8時から10時まで検証開始だ。
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