閑話 ドギーの店

【ドギー】


コンコン「お父さん、お茶がはいったよ」


店の帳簿を付けていた私はドアの外に声を掛ける


「ああ、レナか入ってくれ」


お茶のセットを持った娘が入ってきた


「お茶請けはダレスのクッキーよ」


「おお、それは楽しみだ」


 疲れた体にお茶がおいしい。


 かわいい娘が入れてくれたものならだ。


 そして、ふと先日の事を思い出した。


 「そういえばレナ、先日アリアさんの紹介で、お客が来たよ」


 「あら珍しいわね、どんな女性? 」


 「いや、男性というか男の子だね」


 「え?アリアが男性を」


 「いや、背はアリアさんの弟のミゲル君くらいかな?


  でも同じ部隊って言ってたな」


 レナは首をかしげながら。


 「でも、そんな男の子がウチの店に用なんて珍しいわね? 」


 「なんでも地方出身で故郷に送りたいとか」


 「そう、何を買っていったの?」


 「それが甘味が欲しいと言う事だったので


  蟻石と甘砂を勧めて、樹糖も見せたんだ」


 「順当なところね」


 「ああ、それで蟻石と甘砂を買ってくれたんだけど、

 

 最後に気が変わってね」

 

 「気が変わった?」


  あれは、驚いたな。

 

 「樹糖も1瓶買っていったんだ」


 「魔法士が樹糖なんて買ってどうするの?」

 

 「だろう、お父さんもびっくりした」


 「そうよね」


  おもしろい子だった。


 「その彼なんだが昨日また来てね」


 「え???」


 「今度は樹糖を2瓶買っていったんだよ」


  レナもさすがに気になったのだろう。


 「今度アリアに聞いてみる、なんて人? 」


 「ジミー君って、くせ毛で小さな男の子だよ」


  どうしてかな?


  彼はウチの常連になる様なそんな気がする。










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