Day2-8 聖女 vs 豊穣の女神


「あれれぇ~?どうしてヒロト様と聖女様が保健室のベッドで抱き合ってるんですか~?」




制服からはち切れんばかりのおっぱい。


いや、はち切れている。


ブラウスのボタンを留められないのか、胸の谷間がのぞいている。




「ちょっとヒロト様ぁ。どこ見てるんですか?聖女様よりも私を抱きたいんじゃないですか」


「何てことを言うのですか!?今、私はヒロト様といい感じなところなんです。邪魔をしないでください!」




おしとやかなノネが語気を荒げている。


これからって時だったから、仕方がない。




「私はパイロンちゃんです。みんなからは『豊穣の女神』って呼ばれています」


「『豊穣の女神』だなんて……。貴方みたいな人が女神を名乗るなんて忌々しい!女神様に失礼ですよ!この『おっぱいの悪魔』!!」


「おっぱいの悪魔?ありがとう!それも素敵なニックネームだね」




聖女の口撃、しかしパイロンには効いていない。




「それよりもヒロト様ぁ。私が『祈祷』の効果はどうでした?子々孫々棒が子孫繁栄パワー満ち満ちだったでしょ?」


「なっ!ヒロト様にかかっていた呪いはあなたの仕業だったのですか?」


「呪いなんかじゃないよぉ。みんなに喜んでもらうためだよ。……あれ?もう『祈祷』の効果切れてます?じゃあ、もう一度お祈りを……」


「やめてください!先ほど私が解呪したところなんですよ」


「何で?」


「何でって……。ヒロト様もおかしくなりますし、被害者がたくさん出てしまいますよ!」


「ヒロト様が絶倫になって、たくさんの女性と子作りできるようになるんですよ?何が問題なんですか?」


「問題も問題ですよ!ヒロト様をただの種馬にしたいんですか!?」


「聖女様はいいですよ。すごい力をお持ちですし、お美しいですし。そりゃぁ、ヒロト様から選ばれるでしょう」


「え、いや、それほどでも……ないですよ」


「ヒロト様に選ばれる女の子って、5人か10人か……多く見積もっても20人くらいでしょ?その何倍、何十倍、何百倍もの女の子が選ばれず、涙を呑んでいるんだよ。聖女様は彼女たちを救いたくはないの?」


「そんなことはありません!ですが……そのご指摘は耳が痛いです。私はたまたまヒロト様と逢瀬の機会を頂きましたが。正直、自分のことしか考えておりませんでした。選ばれない女の子のつらさ……それは分かます」


「私は選んでもらえないんですよぉ。悲しいなぁ……。ヒロト様のこと大好きなのに。目の前でヒロト様は聖女様とヤっているのに」


「まだヤっていません!途中です……」


「聖女様。そこで相談ですけど、私もヒロト様とさせてもらえませんか?」


「……え?」


「聖女様とヒロト様がしている間は邪魔しません。できれば、早めに終わってもらったらうれしいですけど。その後、ヒロト様を私に貸してください。そしたらヒロト様にお祈りをするのはやめます」


「……ちょっと、私の一存では決めかねます。ヒロト様、いかがでしょうか?」


「いいよ」




おっぱい魅力的。




「ヒロト様がそうおっしゃるのなら……」


「それか、3人でする?」




この時の僕もおかしかったと思う。


豊穣の女神の『祈祷』のせいではなく、おっぱいの魔力に当てられていたのかもしれない。


おっぱい。

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