Day2-7 聖女との時間


「へえ、そうなんだ。ここって保健室? 僕が運ばれた経緯もあまり分かってないんだけど……。もしかして、僕のことを治してくれたの?」


「はい。左様でございます」


「ありがとう」


「いえいえ、礼には及びませんよ」


「でも、聖女様ってすごく偉いんじゃないの?僕のことなんか治してる暇なんてないイメージなんだけど」


「そんなに大仰な人間ではございませんよ。ただ女神様を敬い奉る我々の中で『聖女』とは頂点に位置する存在ということになっておりますだけで」


「聖女様はうちの学園の生徒だったの?」


「いえ、違います。私は聖女の務めがあるので学園に通うことはできません。本日はここの理事長様が病に伏せられているとのこで、治療のためにうかがっていたのです」




ノネは椅子から立ち上がり、ベッドの端に座る。




「治療は難なく終わりました。少しだけ時間があったので学園を散策させて頂きました。少しわがままを言いまして……この制服をお借りいたしました。私と同じ年齢の皆様がどのように過ごしているか、制服を着て同じ目線で見てみたかったのです。


生徒の皆様は皆とても楽しそうでした。友人と語らいあったり、鍛錬をされていたり。まだ朝だったので、人は少なかったですが。その途中で、たくさんの生徒が集まる校舎を見かけました。興味を持った私は、その中に入ってみました。


そこでヒロト様、あなたをお見掛けしました。


女子生徒たちはあなたに情熱的に告白しておりました。私は離れた場所からそれを見ているだけでした。


私は学園の生徒ではありませんし、他の女子生徒の皆様を押しのけてあなたを奪う聖女なんておりましょうか?


もっとヒロト様の姿を見ていたい気持ちもありましたが、私はその場を離れ、学園内でお借りしている貴賓室の方に戻りました」




しゃべっているうちに、ノネは僕と鼻がくっつきそうな距離にまで近づいてきた。




「部屋で少し休んでおりますと、騎士科の生徒の方が来られました。学生でありながらすでに本物の騎士のような立ち居振る舞いをされる方でした。


いきなり入ってくるものですから、私のお付きの者たちが止めようとしましたが、彼女は動きも早く、腕力も強くて無理でした。




彼女は言いました。




―――『彼を……ヒロト殿を助けて欲しい』と。




そこでも私はわがままを言わせて頂きました。




1日に2つもわがままを言うなんて聖女になってから初めてのことです」




「どんなことを言ったの?」




「今日の夜までヒロト様と一緒に過ごさせて欲しい……と」




いたずらっぽく微笑んだ。




「騎士様の方は渋い顔をされていました。あの方は多分、ヒロト様のガールフレンドなのでしょう?しかし、私は引き下がりませんでした。『一緒の過ごす時間をくれないなら、ヒロト様にかけられた呪いを解かない』と」


「え!僕は呪われていたの……?」


「左様でございます。かなり、深刻な度合いの呪いでございました」


「……もしかして、あれって夢じゃなかった?」


「そう……ですね。でも、大丈夫でございます。皆様も私が治療して差し上げました」


「そうなんだ。ありがとう」


「ヒロト様と繋がることができてうれしかったと、皆様は申しておりました」


「……それは何と言っていいのやら」


「さて、ヒロト様」


「何でしょう?聖女様」


「騎士様と話して勝手に決めたことではございますが、私と夜まで一緒に過ごして欲しいのですが……お許しいただけますでしょうか」


「うん、いいよ。聖女様には助けてもらった恩もあるしね」


「あの、できれば聖女様ではなくて『ノネ』と名前で呼んで頂けないでしょうか?」


「ノネ。これでいい」


「はい、うれしいです」



ノネは帽子を外して、僕の胸に顔をうずめてきた。

僕はのノネの頭を撫でてやる。



「撫でられるの、すごく気持ちいいです」


「そう?」


「あの……ヒロト様」


「はい?」



ノネは僕の唇に自分の唇を重ねてきた。



「キス……してしまいました」


「……そうだね」



ノネは透き通るような白い肌をしているので、顔が真っ赤になっているのがすぐに分かった。



「あの!言っておかないといけないことがあります。あの……聖女は清いままでなくてはいけないんです。だから……いわゆる『本番』ができないんです」


「そうなんだ……」


「でも、それ以外のことなら頑張りますんで! でも、ちょっとくらいなら大丈夫と思いますので!」


「ちょっとくらいって……」


「あの、先っちょくらいなら大丈夫と思いますので!」


「大丈夫なのかな……」



ノネが服を脱ぎながら僕に抱き着いてくる。


ベッドの上で二人が抱きしめ合っている時だった。



「すみません~!頭が痛くって。……あれ、保健室の先生はいないのかな?じゃあ、勝手にベッドで寝させてもらおうっと」



のんびりした話し方の声が響いた。


カーテンが開く。




「「「あ」」」





そこには



ものすごく



めちゃくちゃ



信じられないくらい



おっぱいの大きい



爆乳の女の子が立っていた。



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