Day1-2 騎士科の女子生徒と
1日目・昼
はっきり言っておかしいと思う。
出会っていきなり告白され、いきなり教室でする。
周りに人がいるのにも関わらずだ。
不思議なことに、周囲は特に気にしていない。
チラチラ見られてはいたのだが、通報されたりはしない。
これがこの世界のノリなのか……?
自分の中でも、理解が追いついてないため、支離滅裂になっていることもご勘弁を。
また、これまで童貞だったため、アレに関する描写が全然ないことを許していただきたい。
次からは頑張って書こうと思う。(多分ちゃんと書けない)
ーーーーー
教室でネレアとやらかした後、僕は学園内を探索していた。
「私のことはいいから、学園を見て回ってきたらどう?」って感じのことを言われたんだけど。
ヤリ捨てて行くとか鬼畜もいいところだな……。
でも『あまりにも気持ちよかったから、腰が抜けてしまって……。こんな姿をじっと見られたくない』と言われたら、その場を去るしかなかった。
事後はアフターケアが大事って本で読んだことがあるけど、本当にいいんだろうか。
童貞は卒業できたけど、色んなことをすっ飛ばし過ぎな気がする。
同じクラスなんだから明日ちゃんとフォローしよう。
時刻はお昼。
食堂があるらしいので向かってみる。
なぜかベルデもついてきていた。
購買もあり、そこでサンドイッチを買って食べることにする。
今日は授業がないせいか、人は少ないな。
テーブル席に座って周りを見ていると、金髪でスラっと背の高い、鎧を着た女子生徒がいた。
「おや、ヒロトさん。彼女が気になりますか?入学試験の剣術の実技で1位の成績だったキルシュさんですよ。代々騎士の家系で次期騎士団長との声も多い傑物ですね」
傑物(けつぶつ)……って、あんな美少女に似合わない言葉だな。
ライトアーマーって言うのかな?胸や関節部分などを守るタイプの鎧を身に着けている。
騎士科は鎧と帯刀までが制服らしい。
もし、すれ違いざまに鞘に触れてしまったものなら、その場で斬って捨てられるんだろうか?
そんなことを考えていたら、目が合ってしまった。
「そこの男子、私のことを見ていたか?」
やばい、絡まれた。
「お、フラグが立ったようですね」
ベルデ、うるせえ。
「す……すみません」
「質問に答えてもらおうか?私のことを見ていたか?」
うわぁ、どうしよう。
「見ていました……」
「なぜ見ていた?」
めっちゃ詰問される…….。
「きれいだな、かっこいいな……と思って」
「何だと!!」
ひえー、虎の尾を踏んだ!
「鎧とかを着て刀を持ってる立ち姿とかカッコいいなと思いまして……。金色の髪も綺麗で肌も白くて美人だなと思いまして……」
ちょっと泣きそうになりながら答える。
「騎士たるものは常に戦いを意識していないといけない。だから騎士科の生徒は校則で常時帯刀を定められている。また私は幼い頃より剣術を仕込まれてきた。いきなり誰かから襲われても対応できるようにな。それゆえ姿勢にも表れているかもしれないな」
めっちゃしゃべるな……。
とりあえず、相槌を打っておく。
「……はい」
「髪が綺麗だとか、肌が白くて美人だとか、身内以外から言われたのは初めてだ。感謝する」
……おや、何を言ってるんだ?
「……はぁ」
「何だその気のない返事は?私のことを美人だとか言っておいて。それは実のところ本心ではないのか?」
「いえ、本心です。怒らせしまってすみません……」
「怒ってなどいない!」
いやーん、怒ってないと言いながら怒ってますやん。
「私みたいな剣の道一筋でガサツな女を美人だと思うなど信じられないだけだ。一般的には男は美人と話をしたり、一緒に食事をしたり、デー……出掛けたりすると嬉しいらしいな。どうだ?」
「はい、その通りです」
「私はキルシュ。騎士科一年だ。貴殿の名前は……?」
「ヒロトです。普通科一年」
「ではヒロト殿は、私と……やら……などできたら、嬉しいと思うのか?」
さっきまでハキハキしゃべっていたのに、急に何を言っているのか聞こえなくなってきた。
「えっと……何ができたらって?」
「その……何だ……あの……」
「はい?」
「……とか……とか」
「え?何?」
「……キスとかハグとか!それ以上のことなどをだ!」
無礼な視線を非難されているのかと思ったら、口説かれてた!
またしてもベルデがニヤニヤしている。
「うれしいとは思いますけど……」
「けどなんだ?何かあるならはっきり言ってくれ」
いったん落ち着こう。
え~と……つまり
『私のこと見ていたけど、ケンカ売ってるのか?』だったわけではなく
『私のこと見ていたけど、誘ってるんだろ?違うのか?』だったってことか。
どちらにしろ怖えよ!
「そういう問い詰めるような言い方をされると、ひいちゃうかなって……」
「……問い詰める?そうか、そんな風に聞こえるのか。それは悪かった。ずっと周りもこのような物言いだったので、私もこれが普通になっているのだ」
「……キルシュさんは別に怒ってないんですね?何かすみません」
「そうだ。あと、私のことはキルシュと呼んでくれ。呼び捨てで構わない」
「あ、はい。キルシュ」
僕に名を呼ばれたキルシュはまるで王様から勲章を授与されるかのように姿勢を正す。
そして、跪き僕の手を取った。
「ヒロト殿。私を貴方の騎士にしてくれないか?」
「それ男が女にプロポーズする時のセリフじゃないかな……」
「そうか、ならば……」
キルシュは少しもじもじしたかと思えば、顔を赤らめながら上目使いにこんなことを言ってきた。
「私が話し方を変えたらヒロトは……私をお姫様にしてくれる?」
やられた!
ギャップ萌え!!
その場で斬って捨てられるかと思ったら、その場でやることになった。
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