第2話

連写されたスマホの写真を見るとーーー


「「「・・・」」」


男性らしき三人の首吊り死体の、後ろ姿が写っていた。


「・・・行こう」

伊藤が前に進みながら言った。

「ああ」

「・・・」

遠藤は恐怖で声も出ないようだ。


しばらく進んだら、休憩のために少し大きい木の下で、休むことにした。


「てか伊藤。ちゃんと道把握してあるんだろうな」

「なんとなく。でもちゃんと、家族にここの樹海行ってくるって連絡してあるから。やばくなったら警察くるっしょ」

「おいおい・・・」

「俺がしっかり全部把握してある」

さすが、遠藤。ビビってただけある。・・・ああ、そうだ。そういえば、おかしいことがあるし、言ってみるか。


「てかさ」

「うん」

「この木、おかしくね」

「え」

伊藤は木に近づいて眺めだし、遠藤は一瞬にして木から距離をとった。

「ほんとだ。何か描いてある」


木には、四、五十代くらいかの女性が描いてある。ここまで年齢を推察できるくらい上手い絵だ。すると突然。

「え」

「は?」

「・・・」


その絵の女性の首に縄が描かれた。・・・さすがに、有り得ないだろ。これ、幽霊の仕業とか言っていいよね?


「まじで、この絵何なんだ?」

「髙橋が性転換して首吊る絵だろ」

「伊藤の言う通りだ。どっからどう見ても」

「見方に悪意がありすぎる」


とまあ、絵の考察をしているわけだが。俺たちのiqだとつまらない冗談しか出てこない。


「あ、髙橋の母ちゃんじゃね」

「あー、確かに」

「より悪意が・・・いや、にてるな。急に鳥肌たってきた。」

「もう行こうぜ・・・」

「そうだな。進もう」

「もうよくね」

「ああ、そうだな」


俺達はしばらく真っ直ぐ道なき道を進んだ。特に面白いものはなく、死体もなかった。


「あれ、伊藤は?」

「え」


俺と遠藤はあたりを見渡した。伊藤の名前を呼んだりしたが、見つからなかった。


「髙橋、もう帰ろうぜ」

「おい、なに言ってんだ。伊藤を見つけてからだろ」

「それは俺達の仕事じゃない。警察だろ?素人が余計なことして、行方不明者が増えらどうする?」

「・・・いや、俺は見つける」

「あっそ」


そう言って、遠藤は帰路を歩みだした。俺は反対により深く潜っていった。


「おーい、伊藤」


俺はしばらく、樹海の奥をいった。それでも伊藤は見つからなかった。代わりに見つかったのはーーー

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