レベル10

盗賊になってしまった俺が最初にした事は

魔物から完璧に逃げ切る事だった

スライムは本来知能を持たない魔物

こちらから何かしらのアクションを起こさない限りは何もしてこないのだ

冒険初心者だったレベル1の頃の俺はそんな事も知らずに討伐しようとした

結果は見ての通りだ


そんな俺もレベル10になっていた

臆病者のレッテルを張られようが、スライムから逃げて逃げて逃げまくったのだ

レベル10にもなれば、流石にスライムに勝てるだろうとも思ったが、いざスライムを前にするとあの時のトラウマが甦る


スライム相手に勝てる気がしなかった

想像して欲しい

スライムに生きたまま喰われてしまう姿を


駄目だ

このままではスライムにトラウマを抱えたまま一生を終えてしまう


俺は気分転換に洞窟へと向かった

町でとある商人から聞いた話

洞窟にはお宝が眠っている

一攫千金

スライムに脅える一生なんて嫌だ


俺は洞窟に入った

洞窟は薄暗く迷路になっていた

松明に火を灯した

盗賊の機能で洞窟内の地図を脳内作成した

これで迷わないですみそうだ


しばらく探索していると、更に下へと続く通路があった

そこを降りると嫌な感じの風が吹いてきた

その時に引き返しておけば良かった

後悔先に立たず


そして洞窟の最深部へ

宝箱がひとつだけ置かれていた

遂にお宝を発見した

俺は恐る恐る宝箱を開けた

カチッ

宝箱が音を立てて開いた

宝箱の中にはメダルが入っていた

俺はメダルを手に入れた

と同時に巨大な蜥蜴が天井から降ってきた


ドラゴン?

俺は一瞬身構えるがドラゴンより小さい

蜥蜴といっても鰐みたいに巨大だった

スライムには勝てないけど、これなら勝てると武器で攻撃するが硬い鱗に傷をつける事は出来なかった

俺は蜥蜴にも勝てない

と逃げようとした瞬間

蜥蜴が唾を吐き出す

それが脚にかかってしまう


更に逃げようとしたが足が動かない

足を見ると足先が徐々に石化している

そう蜥蜴だと思っていた正体はバジリスクだったのだ

せっかくお宝を手に入れたのに俺はこのままでは石像になってしまう


俺の人生終わった


と思った時に、何処から兎も角魔法使いがあらわれた

魔法使いは俺の持っているメダルに関心を示した

お主の持っているメダルと引換に、この場を助けてやろう

俺はこのままでは石像になってしまう、助けてくれるならメダルを差し上げますと魔法使いに懇願した


魔法使いは火炎呪文でバジリスクを一蹴、俺にかかっていた石化も解呪の呪文を使って治してくれました


ありがとうございます。













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