第5話 すんごい!服がたくさん!買い物楽し~♪
あたし、ノア!
ノア・セリーナ!!
人呼んで、『大魔導師ノア』!!!
というのは、もとの世界の話。
もとの世界でやることをやり尽くしたので自分の使命、盟約みたいなのにしたがって別の世界にやってきたの。
そこで会ったナユタって娘が今日、服を買いに連れてってくれるって!
どんな服を着れるのかな?
この世界のファッション、楽しみ~♪
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
布瑠部ナユタは異世界からやってきた大魔導師ノアを伴って買い物に出てきている。
ナユタはゆったりとした長めの白いチャイナ服風の上着にピンクのサブリナパンツ。裾に浅くスリットが入ってるのが特徴的だ。
靴は白のスニーカー。
それに、いつものアクセサリー類。
ロケットのペンダント。
ミサンガ。
ハイテク腕時計。
一方のノアは、昨日ナユタに買ってもらったシャツともともと穿いていたスカート。
靴はブーツしかなかったので、ナユタのサンダルを借りた。
「今日はこの世界の服、買うんでしょ!楽しみ~♪」
ノアは買って、気に入ったものはその場で着ていこうという考えの様だ。
「うふふ。最初は何から買いに行きたい?」
「ぶらじゃー!」
二つ返事で答えるノア。
「良いけど、何でそんなにブラジャーが欲しいの?」
「え?原界にはなかったから、だけど?」
ナユタは作品を思い出し、そういえばブラジャーみたいな下着の描写はなかった事に気が付いた。
(何度も読んでるけど、意外に気付いてなかったこともあるのね)
少し、嬉しくなり、ナユタも微笑む。
ほどなくして、ナユタの家から駅を挟んで反対側の聖塚市のメインストリートに出る。
「わぁ!お店いっぱい!こんびにもいっぱいだね!」
見るもの見るもの全てが新しいノアにとっては、気になるものばかりだ。
「あっ!昨日、駅でよった服屋さんだ!」
「あっ!!珈琲屋さんだ!」
「あっ!靴がいっぱいあるお店だ!!」
等々
「あ!可愛いぶらじゃーいっぱいあるお店だ!ここで買うの?」
大手女性下着メーカーのショップの前で指を指すノア。
「うふふ。残念だけど、ここでは買いません」
と、イタズラっぽく笑い、ノアを路地の方に誘導する。
1本裏の路地になるだけで活気はガラリと変わり、落ち着いた雰囲気になる。
これが聖塚市のメインストリートの特徴だ。
新しいものを全面に押し出しているかと思えば歴史ある老舗もしっかりと残っている。
知る人ぞ知る様な名店も少なくない。
「ここよ」
そして、いまナユタがノアを連れてきたお店がまさしく、そういった老舗の類いのお店だ。
「こんにちわ!」
ナユタは店のドアを開き元気よく挨拶をする。
「あら、ナユちゃん、いらっしゃい、待ってたわよ」
と親子風の女性2人が出迎える。
「はい!では、よろしくお願いします」
「なになに?どゆこと?」
いきなりの事で少し戸惑うノア。
「このお店は親子でやられている女性用の服や下着のお店なの。長年つづいている老舗なの」
わたしのお母さんの古くからのお知り合いのお家でもあるの、と付け加えるナユタ。
なるほど~
感心するノアに
「じゃあ、サイズを測りましょう。ハダカになってくれる?」
と母親の方が促す。
「え?ハダカ?なんで?」
娘さんの方がフォロー。
「うちのこだわりなの。キチンとしたものをおすすめしたいから私たちもお客様のサイズをキチンと図らせてもらっています」
なるほど~
と感心するノアに
「大丈夫、ナユちゃんもハダカになったから。でも、あの時はなかなか脱がなくて手を焼いたわね」
と思いだし笑い。
「そ、そんなことこの娘に教えなくて良いです!」
真っ赤になって言うナユタ。
そーゆーことなら、と何の躊躇いも恥じらいもなく、ハダカになるノア。
「良い脱ぎっぷりね。じゃあ、測るわね」
測りながら…
うわ!スゴッ!
見た目以上にボリュームが…
あら?意外に無駄なお肉ないのね。
腹筋のラインが少し、見える、良いお腹ね!
等々、女どうし姦しく。
その間ナユタはスマホでなにやらやり取りをしている。
「とりあえず、終わりね」
と大きめなバスタオルをノアにかける娘さん。
「ありがとー、おねえさん。でも何でタオルなの?」
「あら、どうせ直ぐ試着したりするからそっちの方がいいでしょ?」
なるほど!
「じゃあ!早く早く!ぶらじゃーしたい!」
ハイハイ、と娘さん。
娘さんはノアに好きな色を聞く。
「赤!黒!」
普段から身に付けている色でお気に入りだ。
「赤に黒?大胆ね」
と、試着様の下着を用意する。
ほどなくして…
「ナユタ!!」
下着の試着を終えたノアはバスタオルを巻いた状態でナユタの前にやってくる。
「決まった?」
と、見ていたスマホから顔を上げてノアを見る。
嬉しそうに笑っているノア
「じゃーーーーーん!」
バスタオルを取る。
真っ赤な下着を着けてご満悦のノアである。
……………………………
絶句のナユタ。
ちょ
ちょ
ちょ
「ちょっと!大胆すぎです~っ!」
真っ赤な下着が、ノアの白い肌に映える。
さらに
「な、何か胸が大きく見える様な…」
「そうなの!何かぶらじゃーつけたらおっぱい大きく見える!」
確かに、ブラジャーをしてなかった時より胸が大きく見える。
「あなた、サイズ以上にボリュームのあるバストだつたのよ。だからブラジャーに納めたらそうなったわけ」
と、娘さんの方がブラジャーの効果について説明をしてくれる。
「はい。赤もう1セットと黒2セットね」
すでに梱包も済ませてくれていた。
「ねぇねぇ!ここは服も売ってるのよね?」
「ええ」
「それじゃあさ、お姉さんとおばさんであたしをコーディネイトしてよ!あたし、服とか全然分からないから!」
それを聞いた親娘は快く引き受ける。
ほどなくして呼ばれるノア。
母親のコーディネイトは
トップス
白の5分袖の両肩を出すタイプのブラウス。
ゆったり目の作りだがノアの大きなバストが映える。
ボトム
無地の赤い膝丈までのハイウエストのフレアスカート。
トップスをインでもアウトでも気分やコーデにより使い分けられるもの。
靴はシンプルなベージュのミュールをチョイス
一方の娘さんのコーディネイトは
赤のタンクトップ。
丈がやや短めでお臍の辺りが見える。
ボトム
黒のガウチョパンツでサイドにプリーツ加工がされている。
さらに
白のサマーカーディガン。レースの透け編みになっており、袖は七分袖、丈は膝くらいまでなのが特徴的だ。
靴はシンプルなややヒールが高めな黒のミュール。
「おお!さっすがプロ!どっちも素敵~♪」
ノアは2人のコーデに大満足。
親娘も久々に楽しんでお客様のコーデが出来たと喜んでいた。
そのあとも親娘それぞれが服を用意。
上手く着回してね。
と伝え、お会計。
ノアはナユタから渡された昨日のビッグサイトでの臨時出演でもらったお金で会計をする。
そこそこの値段がしたが、まだお小遣いに余裕がある。
ノアは娘さんが最初にしてくれたコーデが今日の気分にあったらしく、そのままお店を後にすることにした。
「いっぱい買ったね~。楽しかった!」
ノアはご満悦で紙袋を持っている。
「この後はどうするの?」
「この後は1度家に戻って、あなたの荷物を置きます。それからランチね。お店を予約してあるの。でも、まだ少し時間があるから軽く見て回ってから戻りましょう」
ナユタの提案に2つ返事で答えるノアだった。
上機嫌で街を歩くノア。
自然と歩幅も大きくなり、リズミカルに歩く。
歩く度にたゆん、たゆん。とノアの大きな胸が揺れる。
形もよく大きなボリューミーなバストは通行人の目を惹くのに十分過ぎた。
ましては、金髪の美少女、である。
「ねえねえ、ナユタ」
「なに?」
「もしかして、みんなあたしの事見てる?」
「そ、そうかもね」
「ムッフフ♪そっか~♪」
ノアは回りを見回す。
「やっぱり、このおっぱいは見ちゃうよね!」
嬉しそうに話すノア。
「そ、そうね。でも、道端でおっぱいとか言っちゃダメよ」
そうなの?
と、だけ答える。
「後、その綺麗な金髪も目を惹くわね。この国は基本的には黒髪だから」
「そっか~、目立ちすぎなんだね!」
「そうと言えばそうね」
「どれくらいの色ならいいの?」
そうねぇ~、と辺りを見回すナユタ。
「あ、あのお姉さんくらいなら当たり障りないかな?」
と、ダークブラウンの髪を颯爽と靡かせて歩く素敵なお姉さんが2人の横を通りすぎた。
「今のお姉さん、カッコよくて素敵ね!」
「そうね」
「よし、きまり!」
「何が決まりなの?」
「ムッフフ♪ヒ・ミ・ツ♪」
ノアは人差し指をピンっと立てウインクをしながら自分の口の前に持ってくる動作をする。
「そうだ!あたしも鞄欲しい!」
「いいけど、どんなのが欲しいの?」
唐突に言い出すノア。
「冒険者セットみたいなのかな?昔は腰に着けるものを愛用してたから、そういうの欲しい~」
ナユタはノアの言いたいことを瞬時に理解。
(ヒップバッグやウエストポーチみたいなのが良さそうね)
「じゃあ、丁度このお店がいいわね。行きましょう!」
と、革細工のお店に入り、バッグ売場に行く2人。
革細工といってもこの店は上質のものから買い求め易いものまで取り揃えているお店だ。
「そうそう!こういうの、こういうの!」
少し大きめでポケットが多いバッグを手に取るノア。
「こういうのにマジックアイテム詰め込んでクエストしたし、キャラバンの時は商売もしたのよ!」
懐かしそうに語るノア。
実はこのノア、かれこれもとの世界で1000年以上は生きている。
と。ある理由から老いる事がなくなったわけである。
試着してみると、ノアの腰からお尻にかけて良い感じに収まる。
「うん!色も黒だし、ワンポイントの金の細工が気に入ったし、これ買う!」
ナユタは、ついでにお財布も買ったら?
と提案。
お財布のコーナー。
「これにする~」
赤い長財布を選ぶノア。
お会計に行くと。
(あらら、結構なお値段。良いものを選んだのね)
横から会計をみて、少し驚くナユタ。
ご機嫌で購入したバッグを早速身に付け、封筒に入っていたお金をお財布に入れるノア。
大分お小遣いも減ってきてしまった様だ。
「ちょっと持ってて、おトイレ行く~」
大きな荷物をナユタに預け、ノアはトイレに入っていく。
個室のドアを閉め、ロックを忘れずにする。
「よし、ここなら魔法使ってだいじょうぶよね?」
と、独り言。
魔法で鏡の様なものをつくり、自分の姿を写す。
よ~し♪
と、何やら楽しそうにある、魔法を自分にかけるノア。
ノアがトイレから出てくるのを待つ間、ナユタは近くのベンチに座り、スマホでメールの連絡を済ませ、その後は適当に画像検索。
ちょっぴりキモい生き物の画像を見てニコニコしている。
少しすると、隣に女性が腰をかけてくる。
ナユタはその女性に軽く会釈をして座る位置を少しずらす。
そして、そのまま画像検索を続ける。
………
「やっぱり、気づかない?」
隣の女性がしびれを切らし、ナユタに話しかける。
え?
と、ナユタが横を振り向くと。
「ムッフフ♪どお?さっきのお姉さんみたいに素敵になったかな?」
と、立ち上がり、髪色をダークブラウンに変えたノアが肩から髪の毛をフワッとかきあげ、ポーズを取る。
ど
ど、ど
「どーしたの、その髪!?」
ナユタは目を丸くして驚く。
「ムッフフ♪魔法で変えてみた!上手くいったよ~♪」
ノアの目を惹く輝く様な金髪はシックなダークブラウンに変わっていた。
「これなら、少し目立たないでしょ?」
ウインクするノア。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
こうして、ナユタに連れられたお買い物は一旦終わり。
あたしの世界にはないデザインの服ばっかりで楽しかったな!
特に、ぶらじゃー、気に入っちゃった!
自慢の大きいおっぱいも綺麗に見えるし!
これから、流留を連れてランチみたい!
これも、楽しみ~♪
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます