熱血探偵 @ 自転車置場

「う~ん……」


 タッタッタッタッタッタッ!


「千紗っ! こんな時間に何やってんだ?!」


「光秀くん……なんでここに? 」


「陸が『姉ちゃんどこやった? 』って凄い剣幕で家に来たんだよ。はぁ……

 電話も出ないし……心配したんだぞ? 」


「ごめんなさい。

 いてもたってもいられなくて……」


「もう21時……暗くて誰もいない学校の自転車置場なんて危ないだろ?

 特に千紗は。 いくら鍛えててもさ 」


「ごめんなさい……。

 こんなんじゃ私は探偵失格ですね」


「熱意があるのも探偵だろ?

 千紗は悪くない。ただ、俺を頼ってくれなかったのか悲しいけどな」


「これ以上迷惑はかけられないと思ったんです……

 ずっと光秀くんは、どんな事件の時も私の側にいてくれて、本当に探偵を名乗るべきは光秀くんなのかなとか、色々考えてしまって……」


「千紗、俺はただの千紗の助手。

 俺が犯人はこいつって言ったことなんて一回もないだろ? 」


「そうですけど……」


「まぁ、今回の事件は偶然俺の元に犯人が自供してきたけどな」


「えっ? 」


「ついさっき、犯人から自供メッセージが来た。でも、内容は千紗は見ない方がいいかも……」


「えっ、なんでですか? 」


「これ見たら犯人はやっぱり私だって言いそうだから。俺はそうは思わないけど……」




 犯人が自供した?!

 でも犯人は千紗?


 なんだかもうよくわからない……


【犯行供述 @コンビニ駐車場 】へ続く

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