第1章
エピーソード1
「うっ、こ、ここは?家?いや、姉さんの…部屋?」
まさか目が覚めたら自分の家にいる事や、自分が撃たれて意識が失った事、情報量が多すぎて混乱してるエルトのそばに
「ようやく目が覚めたわね、エルトくん」
「姉さん?…エノテラ姉さんなの?今まで一体どこに行ったんだよ」エルトは目覚めたばかりと思えない勢いで話を掛けて来た人物を抱きつきた。
「ちょ、ちょっと、寝ぼけないで、落ち着きなさい!エルトくん!私はエルトくんの姉…いや、エルトくんの知ってる姉、エノテラじゃないわよ」
「…うぅん、確かに、姉さんは僕をくん付けで呼んだことない。それに、見た目的に姉さんはもうちょっと大人っぽい感じけど、でも…」エルトは、眼の前に立っている人物をじっと見つめる。無理もない、姉のエノテラより幼く見えるが、見た目がそっくりの人が自分の前に立っているからだ。
「誰が子供だ誰が?!ったく姉さん姉さんって、エルトくんはこんなシスコンになったなんてちょっとショックだわ、エノテラにどういう教育受けてのやら…」
「いや、僕は一言も子供だなんて…」
「とにかく!もう目が覚めて良かったわ。そんな事より、エルトくんは私に質問、ないかな?」
「そうだ!確かに、これはどういう事だ?何故僕は家にいるんだ、しかも姉さんの部屋に?僕は任務中撃たれて、気を失った…いや、死んだ?それに、君は?僕の名前も知ってるし、君はいったい?」と、混乱してるエルトは山積みの質問を目の前の少女に投げた。
「混乱してるのは分かるけど、一気に攻めてこないでよ、順番に答えるから」少女は続く
「まず、エルトくんに置ける現状だけど、君は任務中に撃たれた、それは覚えてるわよね?」少女はエルトの反応を待たず、更に話を続く
「まぁ、結論から言うと、エルトくんはね、すでに死んでるわ」
「……やっぱり、か。それじゃあ、僕が家にいるのは、何故だ?」と不思議に思うエルト。
「すぐ納得した?もうちょっとショック受けてもいいのよ、死んだんだから」
「いや納得はしてないよ、一応生前は士官学校出身だからな、まさかこんなにもあっさりやられたとは。でももう死んだ僕は自力でなんとかくする事も出来ないし、それよりも色々気になってるし」
「そうね、それじゃさっきの質問の答えとして、ここはエルトくんとエノテラが住んでる家じゃないわ」
「え?じゃあ、ベタだけど、ここはいったいどこなんだ?天国か地獄とか?」
「地獄?あんな恐ろしい場所は作ってないわよ私、あれは人間の作り話だよ」と、少女ツッコミを入れずつも更に話を進む
「でも、んん…まぁ、そうね、混乱してるエルトくんに詳しく説明しても、多分、更に混乱になるだけだから、とりあえずここは天国にしときましょ」
「きみは…いや、きみはまずいか、ええと、やはり神様なのか…神様ですか??神様でございますすか??」と驚きを禁じないエルトは、ぎこちない言葉で自分はこれからどうなるのかと尋ねると
「エルトくんは、この世界の歴史や伝承は、どのくらい知ってるの?」と少女は突拍子もなく話題を変えた。
「ええと、一応学校でひと通り学びました」
「例えば?何を教わったの?」少女は更に尋ねる
「そうだ…そうですね、創世の伝承とか?創世の女神が世界を作り出し、破壊の女神がやってくる、最終的に女神たちが相打ちで、人々の前に消えた、とか?だいたいはこんな話だった気がする…します」
「変な喋り方しないで、普通に喋りなさい、さっきから喋り方おかしいわよ」くすくす笑う神様
「そ、それは助かる、実はそういうのは苦手で…それに、か、神様の威厳とかはあまり感じないし、というか、どう見ても幼くなった姉だし、いやまぁ、それはそれで気になるけど」
エルトの言葉を無視して少女は
「それで、それだけ?女神の名前とかは?」
「たしか≪
「やはりね、通りで…いや、なんでもない、ていうかアナグラムかよ!それじゃあ、エルトくん、君は自分の名字メルナリアに対して、なんか思ったことない?」
「え?名字?いや、ないけど、僕の名字はどうかしたの?」
「エルトくんって、自分と自分の姉さん以外、この名字をしてる人間、他に、見たことや聞いたことある?ていうか、鈍感系主人公か君は?」
「確かに、言われてみれば…一度もない?それに鈍感系ってなんだよ」
「エルトくんの名字メルナリアって、名字というより、名前だよね?」
「ああ、確かのその方がしっくり来るかも。けどそんな事言われても、これは僕の名字だって先入観あるからな。…いやでも、ちょっと待ってよ、それじゃ何?僕の名前の構成は、名前・名前ってこと?ダサっ」
「ダサいって、あんたね!まぁいいわ、とにかくだ、これから私の言葉をよ~く聞きなさい!」
「君の名字メルナリアは、それこそこの世界を作り出した張本人、伝承に書かれた創世の女神の名よ!そして、何を隠そ、メルナリアは、このわ・た・しよ、私!えっへん」とんでもないカミングアウトを言い出す少女は、今、ドヤ顔である。
「え?ええええええええええええええええええええええ?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます