青の女王と占い

仲仁へび(旧:離久)

第1話



 かわいそうな王女様。


 おいたわしい王女様。


 その王女様は、とても病弱で体が弱かった。


 生まれた時に医者から「長くは生きられない」と言われていたほどに。


 しかし、王女の父はそれを受け入れる事ができなかった。


 だから魔法を使い、人の生命力をうばって、その王女に与え続けていた。


 王女は何も知らない。


 その事は全く知らない。


 知らないままに、大きく育った。


 そして、ある日残酷な真実を知ってしまう。


 仲良くなった友達がいなくなって、その行方を調べて、知ってしまう。


 悲しんだ王女は、自分も後を追う事を考えていた。


 これ以上犠牲者を出してはいけないと、そう考えていた。


 けれど、そうするしかないと考えても勇気を出せなかった。


 病弱な王女は、今まで普通の子供のような事は何もできなかったからだ。


「私の人生はいったいいなんのためにあったの?」


 王女は絶望しながら、生きていた。


 自分では命を絶つ事ができないから、誰かに殺してほしいと願いながら。


 そんな中で、希望がもたらされた。


 王女を殺してくれる存在が、どこかにいるのだと。


 それはひとつの「占い」だった。


 たった一つの未来に関する言葉だった。


 その頃には青の女王になってい王女は「占い」から希望をもらっていた。


 やっと自分を殺してもらえる。


 それだけが彼女の救いだった。


 もうずっと普通の人間として生きられない青の女王の、動く事のできないかつて王女だった女王の、救いだった。


 だから青の女王は探し続ける。


 特別な車いすに身を横たえながら、様々な場所を探し続ける。


 その日も、誰かの命を消費しつづけながらも探し続ける。


「占い」で言われた、運命の相手を見つけるために。


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青の女王と占い 仲仁へび(旧:離久) @howaito3032

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