夜のお使いを終えて
ふと静かになった周りを見渡し追加がいないかを確認する
とくにいないようだ
ここは昼間ならば牛に籠を引かせたお偉いお貴族様がよく通る位の高めの道
お高い人たちが勤めているところに向かう道だからなのではあるのだがとても丁寧に舗装されている。
まれにその小間使いも袴の上から靴下を履いたようか格好で颯爽と走っていくこともあるが、その場合でも転ぶ心配がないのは素晴らしいと思う。
この世界、この時代では不便なことに手紙のやり取りしか伝達手段がないからなのだが…
「って!ちがう!これと遊んでる場合じゃなかった〜!」
手紙を届けてる最中じゃん
主人の趣味と金の権力で小間使いとはかけ離れたままぁまぁな貴族の息子みたいな服をいただいているため、無駄にしゃらしゃらした重た目の服を着させれられているわけだが
この狩衣という服装は走りにくい
銀髪の長い髪が美しいと話題の主人は
真っ黒な俺は目立たないつまらないとのことで服装だけでもどこにいるかわかるようにしてよーっていわれたせいで
いつもの含は水色とか、薄緑とか女子ならかわいいよねっー服を用意してくれる
部下の服や日常品などは主人が用意することが当然の世界ではある。基本的な貴族はこうもお金をかけてくれないもの
高待遇ではある
しかし比例して人使いが荒い
なんせ夜中に手紙持っていってくれと
よく言うのだ
おかげで出世競争をはじめとした有象無象の妬み嫉みに負けた亡霊が暴走したみたいなさっきの化け物の類似種に毎度会う
そろそろ時間帯と通り道がわざとな気がしてきた
優しい俺は街の平和のためにたたかってる俺偉いと思って頑張るようにはしてる
勝手な主人からは勝手に遅すぎる門限もあり
戻りが丑三つ時を超えると激おこ
いつもらギリ超えるか超えないかあたりで帰ってきていは
今回はお宅はそう遠くないと思い化物に出会うまでの数距離、スタートをゆっくりしながら東の美濃平様のお宅を目指していた
主人はこまめに方々の姫さまに手紙をばらまいては、方々の姫さまからのお手紙に丁寧にお返事をしている様子
とはいえ本人は一度も持って行ったことはない
貴族の屋敷が並ぶうちのひとつにある美濃平様のおうち
文官として代々優秀らしい
華やかではないものの一般的な茶色の門を静かに無視して兵の周りを怪しまれないように気をつけながら様子をうかがう
邸宅はどこもだいたい作りは同じようなもの
門から向かって奥の方の左あたりにお姫様のお部屋があると決まっているらしい
今のところ間違っていたことはないので本当なのだろう
軽くジャンプし塀に手をかけのぼる
音を立てないように着地
入ってしまえば監視の目は少なく
大きな貴族といっても見張りは多くない
というのと、こういった手紙のやり取りは割と日常的
何か大きなトラブルを起こして出禁のやつがいない限りほとんど見逃させる
できる限り音をなくし近づいていく
「
わけではなく、側近のおばさまとのやりとりでその場は終了。
高貴なお姫様に直接渡せるわけがないのだ
ガバガバな警備をくぐりぬけ
道にもどる
今何時だろ、遅くなってないといいなぁ
時計がないのがなんと不便なことか
主人の邸宅の前に着くと
主人が立っていた
こわ
「ねぇ遅くない?途中で寝てたの??」
銀色の髪は髪に靡き月明かりにも負けず
目鼻立ちはっきりしたお顔は夜の暗さでも負けない
とりあえず美しい人は怖い
「変なのが!また変なのがいたんです!!」
物の怪が途中で出たのを知っていたのに怒られるとか理不尽じゃん
答える気も言い合う気持ちないようで
センスをすちゃっと出すと目を細めて笑う
構うより眠たい俺は相手をするのことをあきらめ
部屋に戻ることにした
「おっやっすっみっなっさっい!!」
ドタドタと音を立てながら自室にもどって睡眠をむさぼるのだった
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