第12話 とあるパーティ
同刻 赤の国 ペンデニウム地溝
「エル、先に補助の魔法を頼む、このまま突っ込む」
そう言うと片手剣を持った女性は少しニヤリと悪そうに笑い
50体ほどいる魔獣の群れに突っ込む。
「いらないじゃん、補助なんて。これくらい余裕でしょ?」
と竪琴を持ったエルと呼ばれた女性は何か適当に
魔法を唱えた。
「暇なのにゃ・・・」と猫耳の女の子?はあくびをしながら
エルの後ろで地面に絵をかきながら遊んでいる。
「手伝えよ!お前ら!」と本当に手伝いが必要なのか?と言うくらい
魔獣を倒していく女性剣士。
しかたないなぁとぼやきつつ、一人の女性が短剣を両手に持ち
魔獣の群れに突っ込む。
「シャルル!右の方をお願いね♪」先に突っ込んでいった女性が
そう言うと、シャルルと呼ばれた女性は踊るように魔獣を切り刻む。
ほんの数分で50体ほどいた魔獣は全滅した。
「こんなところにもこのレベルの魔獣かぁ。こりゃ大変だ」
「じゃ、奥に行こうか」と最初に突っ込んでいった女性は
そう言うと片手剣を鞘に仕舞った。
「この辺で休憩にするにゃ」と猫耳の女の子?が言う。
「そうね、スコティの言うとおりね、お腹もすいたし。ウォッカも
それでいいよね?決まりね。」
と微笑みながらエルと呼ばれた女性は片手剣の女性に言った。
「なんでこんなに魔獣が湧いてるんだろうな。まぁ金になるから
こっちとしてはウハウハだけどね」
シャルルと呼ばれた女性はアイテムボックスからビールらしい何かを
取り出しグビグビ飲みながら
「ぷはぁ、うめえな」とご満悦の表情である。
焚火を囲みながら4人は各々何かをしている。
「なぁ、洞窟で焚火って大丈夫なの?」とエルと呼ばれた女性、
エルセブンはウォッカに聞く。
横からスコティが
「ここは空気も流れているので大丈夫にゃ」と魚を焼きながら言った。
その魚がいい感じで焼きあがると横からウォッカが奪って食べる。
「うめえな、これなんていう魚?」
スコティは「あああ」と言いながらウォッカを睨み、
「返すにゃ!スコの食事返すにゃ!」と言うと爪でウォッカを
切り刻もうと両手をバタバタさせている。
ウォッカは右手でスコティの頭を押さえながらムシャムシャ
魚を食べている。
「あんまり暴れるとその髭、むしるぞ」と言いつつ。
「私のあげるからあきらめなさい、スコティ。」
苦笑いしながらシャルルはスコティに綺麗に焼けたベーコンっぽい
何かを渡した。
「魚がよかったにゃ。せっかく持ってきたのに・・・」と言いながら
スコティはベーコンっぽいなにかをムシャムシャ食べている。
「所でウォッカ、ずっと聞こうと思っていたけど娘さんの事わかった?」
とシャルル。
「う~ん。わかんないなぁ。ババァの魔方陣の暴走に巻き込まれて
二人でどっかに転移して足取りすら全然つかめない。
この世界ではなく異世界転移した可能性が高いしな」
ウォッカは魚を食べ終わり今度はベーコンを狙ってる。
「まぁ、死んではいないだろうな。異世界に行ったとしても
ババァが一緒なら大丈夫だろう。暴走から20年かぁ、時の
経つのはやいなぁ」ウォッカがそう言うと
「あなた今いくつなのよ、全然老けないわね」とシャルル。
「歳?永遠の26歳だ」とウォッカは真顔で言う。
「ババァのくせに・・」とスコティ。
ウォッカはスコティの髭を引っぱりマジでむしろうとした。
「私にはエルフの血が流れてるからねぇ、親父のおかげだな」
「まぁ娘の事はバーボンに任せてる。ずっと黄の国で情報を
集めてるよ。」
「旦那に会ったの最後いつよ・・・」とシャルルが言うと
「ん~8年前かな・・・・。まぁ便りがないのは元気な証拠だろう」
とウォッカが言うと
「便りも何もあんたがどこいるかわかんないから便りが届かない
だけでしょうに・・」とエルセブン。
「そりゃそうか・・・」ウォッカは何か納得したようにつぶやいた。
一時たち4人は休憩を終え探索の準備を始めた。
「じゃ地竜さんがどんなことになってるか行きましょう♪」
少しルンルン気分でウォッカが歩き始める。
「アースドラゴンって言おうよ・・」エルセブンは呆れたように言う。
「だって長いじゃん、アースドラゴンって名前。地竜でいいわ」
ウォッカがそう言うと全員が
「どっちの名前も短いじゃん」と突っ込んだ。
「地竜がもしも、魔に浸食されていたら、・・・・殺る。」
眼を閉じながらウォッカはつぶやいた。
そして開くと目が赤く光っており、
体にうっすらと、何色とも言い難いオーラが纏われていた。
そして話はシンの森に戻る。
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