第結話 そして次の章へ

俺とユキちゃんも魔方陣に入った。ユキちゃんは魔方陣の

中心に、そう・・・なんとなくかっこよく立った。


唯さんはとても長い呪文らしいものを唱える。

しかし、少し体が崩れた。それでも唱え続ける。


右手にタクトを持ち呪文と同時に、さらに魔方陣を描く。


「ジェル様、あれがエアストで一番の精霊使いであり、

 魔導士でもあるベル様の魔法です。時を超え、世界を超えて今、

 私達は伝説級の魔法を見ているのです。」


それ美香に絶対言うなよ?なぜ起こさなかったのかと絶対に

バラされるぞ・・・。と、耳打ちした。


と同時に俺たちは光に包まれた。最後に見えたのは唯さんが

倒れこみながらも笑って何かを叫んでいる姿だった。


俺には「ミネルヴァのことは任せときな!」と

ハッキリと聞こえた。絶対に聞こえたんだ。




「さすがに疲れたねぇ・・・・。」

そういうと唯、いやベルは這いつくばりながらも椅子に座り

お茶を飲んだ。


「冷めてるね・・・。入れなおすか」



一時がたち、ベルはミネルヴァの居るマンションへと向かった。

「勝手に入るよ」そう言うと普通に、鍵が付いてないかのように

ドアを開け中に入った。


「ドアを開けるだけでもきついねぇ、美香の魔力を多めに吸ってて

 よかったよ・・・本当に。あの子には悪いけども。私が死ぬより

 いいだろうからね」


そしてミネルヴァの居る部屋へ入る。


「よくかんばったねぇ・・・いままで」

ベルはミネルヴァに語り掛ける。

「いい子に育てたねぇ、サンテミリオン様だったかね、

あの子の母親、「紫の国」の王女様の名前は。さぞお喜びだろうね。」


「ジェニエーベル様は最後まであなたの事を話してたよ。それに

 私に向かって凄むんだよ。あれは父親に似たのかねぇ、母のサンテミリオン様に

 似たのかねぇ。そうだったね、貴方、あの子は母親似って言ってたね。

 あぁそうか・・・・お前の子でもあるか。」


「お前をエアスト、紫の国があった所に送ってやるよ。どうやら

 やはり滅んだらしいね、紫の国は。今じゃ青の国の一部になってるらしい。

 シンの森に向かうように言ってある。あんたの生まれた街の近くだ。

 行き着くには色々あるだろうが、4日もあれば、まぁ大丈夫だろう」


「その間すまないが私の魔方陣の中に居てもらうよ、そのままの姿で

 帰してやるよ。お前が作った刀を見せてもらったよ。

 あの刀のおかげであっちに帰れるんだ。」




「本当にいい仕事をしたよ」

「・・・本当にいい仕事をしたよ。ミネルヴァ」



序章  ~結~















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