第6話 このゾクゾク感はいいものだ・・・

「さて・・・、行ってみる?」


美香はそそくさと着替えをしている。男の前で着替えてる。

この世はなんと素晴らしい所なのだ。


ところで何処へ行くのかと尋ねたら・・・


「祖母の所よ、会いたいでしょ?そのゲームの事聞きたいんでしょ?

 私も聞きたいし。あなたの事も見せたいしね」


私は美香のバッグに収納された。


召喚獣にまたがり出発した。が、少し走ると美香が止まった。

正確には召喚獣か。


召喚獣が言う事を聞かないのかと尋ねたら、どうやら

信号機が赤らしい。


ふむ。信号機とは召喚獣の行動を阻害する何かか・・・。

美香に尋ねると


「召喚獣の神様みたいなものよ(やばい、萌える。異世界大好き、

 アニメ、ラノベ大好きの私にはユキちゃんとの会話)

 (この調子で私も乗っかろうかな・・・)」


美香はちょっと飲み物を買うと言って何かの箱の前で止まり、


「これはね、この硬貨をいれてボタンを押すと、なんと!

 飲み物が出てくるのよ!」


私は、自販機だろ?ぐーぐる様で知ってると言ったら

美香は冷たい視線を送ってきた・・・・。すまん。


と言う、やり取りをしながら移動した。


「着いたよ」


うぉぉぉ、画像で見るより本物すげえな!

マジで塔!もう光が反射して眩しいほどの!

クリスタルで出来ているような・・・!塔!


まぁビルってやつというのは知ってる。ぐーぐる様で知った。


美香と私は召喚獣を休ませ、建物に入っていった。


なにかのアイテムを光るところにかざすと扉が開いた。

ガラスの扉だ。


こんなの簡単に壊せるだろう、と言うと美香は

「この国で最強の戦士が来るわよ、無詠唱で何発も鋼鉄の

 礫を飛ばせる魔法の武器を持ってね」


警察と銃だろ?知ってる、とは言わなかった。

とりあえず私は驚いた感じで聞いてあげた。だって

あの冷たい視線は少し心にダメージを受けるので・・・。

でもちょっとあの冷たい視線にゾクゾクはした・・・・。


転送装置に入り移動が完了し、とある部屋の前に来た。

美香は何かのボタンを押すと同時にアイテムを使い

ドアを開け中に入り込んだ。まだピンポーンと音が鳴っている。


落ち着け!と私が言うと美香は

「どうせ祖母は私が来たことなんてすでに知ってるわ、すごい勘がいいのよ」


通路を歩きドアを開ける。

そこにはまだ初老というくらいの女性が居た。まぁ祖母なので女性か。


美香は興奮気味に

「ねえ!聞いて!おばあちゃん!どう思う!?」


いきなり「紫の国」ことを聞くのか・・・。美香も気になるのだな、やはり。



「ユキモリが動くようになったの!ユキちゃんて呼んでるの!」


・・・そっちか。


同日同刻 とあるマンション


俺はアイテムボックスを整理する。

武器は13種類あるらしい。俺は5種類の武器を手に入れているが

刀だけはマジで初期装備のこれだけだ。


他の武器を持とうにも弓しか持てない。NGのマークが出る。

刀と弓以外の3種類は捨てようかと思うけど

名前がなんかレアっぽいので捨てられない。

というかこの武器はほぼ全て城やダンジョンで勝手にアイテムボックスに

いれたものだが・・・。


盗賊スキルなのかと母に聞いたら

「そんな職なんてない、盗賊って敵よ?」

と言われた過去もある。

とあるゲームの樽の中にあるアレな感じなのかと思い貰ったが・・・・。


そういえばどこかの城に入った時にいきなり強制戦闘になったな・・・。

んでその奥の宝物庫にある槍は欲しかったけど取れなかった。

今度もう一回取りに行くか・・・。


他の武器が装備出来ない事に関しては数年間いろいろと試したし、

母さんにも尋ねた。


母さんは微笑みながら「運命よ」と言った。

だけど一度だけ母さんは変なことを言った。

(まぁ天然なのでいつものことか・・・)


「あなたは弓が使えるんだからそれを伸ばせばいいのよ、刀はね、

 必要な時に使えばいいのよ、その時は来るから」


今思えば、それから数年間。

一度も必要な時は来ていない気がする、というか来ていない・・・。

 





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