第5話 英知の結晶と至高の言葉
それからも私は色々と操作をしてみた。
ふむ、装備の錬金なども出来るのか。
ほうほう、この装備に精霊の力を宿らせるのか。
精霊はいなくなるってことは死んじゃうのか・・・。
鬼畜だな、精霊使い。
おおおう、わたしの住んでいた街だ。どれどれ・・・
うわぁ、そうそう、ここの飯屋うまいんだよ!名前も一緒か!
厨房の位置も同じか・・・・。
私の家・・・あるし!あーでも中は見れないな。
すげえな、このゲーム。
仮定だがやはり、エアストを知っている者が関わっているな。
一通り、わかる範囲で調べたが・・・、操作がいまいちわからんので
こんなものか。
そろそろ美香も起きるだろう。それまでは・・・と。
この壁に陳列された書物!書物!そしてなによりも
このパソコンと言う英知の結晶!
私は「おっっけぃぐーぐる」という魔法を唱えた。
調べたい事柄を言うと画面に出てくる。まさに至高。
そうやって3時間ほど色々とこの世界、国の事を調べた。
思うに、どこの世も同じだ。争うことばかりだ。
しかし、私の国と違うのはこの世の中には魔族が居ない事だ。
人間以外の、そう亜人種もだ。
滅ぼしたのか?この世界の人間が・・・。
そうこうしているとやっと美香が目覚めた。
「なんかわかった?」
私はこのゲームが私のいた世界と同じ地図であることを伝えた。
ただし、15年ほど前の地図という事も伝えた。
逆に私は美香の操作する人間について聞いた。
「あー、名前ね。それ最初からなのよ。変えられないの。」
ついでに魔方陣の使い方も聞いた。
「それはね、このタクトでこのパッドに書くのよ。やってみようか?」
わたしは是非と、お願いした。
美香はゲームのキャラクターを操作し、洞窟っぽいマークの所に
矢印、クリックと言うらしい。をし、中に入った。
補助精霊を出すのもいいけど、折角なので戦闘系の精霊を使うと言った。
美香はパッドの上で滑らに魔方陣を描く。!?光ってる!?
「あー、成功すればこういった感じで魔方陣が浮かび上がるのよ。
すごい付属品よね、これ」
画面を見ると、そこには「サラマンダ」がいた。
「このダンジョンだったらこのレベルで問題ないかな」
どのレベルだよと、ツッコミたくて突っ込んでみた。
「イフリートも出せるよ?結構MPがとられるけども」
MPとは?と聞いたらどうやら魔力量らしい。
ふむ。体感でわかるものなんだがな。数値にしないと
美香やこの世界の者にはわからないものらしい。
というか、この世界には魔法はアニメやラノベといった
研究書物やゲームの中の空想上の物らしい。
だったらなんで美香は私を「ユキちゃん」に乗り写すことが
出来たのだろう。
「そうなのよね、冗談半分でやったら出来ちゃったのよ」
どうやら美香は酔った勢いで精霊を呼び出そうとしたが
出来なかったらしい。
・・・酔ってないと出来ないものなのか、この世界の魔法は。
それも深夜がいいらしい。
・・・恥ずかしいそうだ。ふむ。
私は今度は錬金の事を聞いた。
出来なくはないけどスキルのレベルが低いらしく、初級の装備くらいしか
出来ないらしい。
精霊付与は限りなくできるらしいが・・・。
見せてもらったら伝説級の付加価値が付いていた・・・・。
さすがゲーム!仮想世界!
「でも剣とか槍とか、まぁ初級のものだけど作れはするけど
装備ができないのよね、私。なんでやぁ!って感じ」
槍も斧も、剣も短剣も。ツメもゲームに出てくるのに装備できない。
美香が生粋の精霊使いであれば・・・私の世界であれば納得だ。
私の世界では生まれた時点で武器の加護を神から与えられる。
なので美香はタクトだ。その時点で進むべき道が決まる。必ずだ。
そう、もしも私の世界で美香が生まれたならば美香は精霊使いの道しか
ない。まぁもちろん料理人とかも選べるが。
もしかしたらこのゲームをしている他の人間は別の武器でやっているのかもな。
と美香に言うと
「このゲームは一般には市販されていないのよ。祖母の知り合いから
貰ったらしいよ?で、私に渡してさせているの」
「学校の宿題するくらいならこれをやれ!ってね」
すげえな学校に行くってことは美香は貴族なのか、と言ったら
どうやらこの世界の人間はほぼみんな学校へ行ってるらしい。
すげえな、この世界。
同日同刻 とあるマンション
俺が毎回思う事がある、
うーん。弓に比べて刀のスキルって異様に少ないのよねぇ。
俺が何かのイベントとか見落としてるからなのかなぁ。
でもイベント少ないんだよなぁ、というかほぼ皆無。
錬金で作れないし・・・。だから初期装備の刀だし。
俺、ハズレキャラ引いたんじゃねえかな・・・。
キャラの名前も最初から決まってたし。
「ジェニエーベル・ジャルジェかぁ。・・・長げえな」
まぁ、なんかグッとくる名前だからいいけども。
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