第33話
その時、本部内で激しい揺れがした。
本部内放送も途絶え聞こえなくなった。
辺りを赤いランプが包みこんだ。
立ち止まった女性軍人たちの顔も青くなりだした。
「ではな! あっ!」
リーエがおひるねこを手放そうとするが、おひるねこが胸元にひっしとしがみついてしまった。
「ふふ……早くいきなよ。TUはなんとかする」
「ふー、悪いな。エデルによろしく言っておいてくれ!」
リーエは天井から埃が舞って来るアベンジャーズ・ザ・ウィメンズ本部内をガレージまで突っ走った。
ガレージにはソニアルがある。研究所所長といっても過言ではないエデルがアベンジャーズ・ザ・ウィメンズの粋をかき集めて作り出した人工知能搭載の車だ。
アクリル板の通路を走り抜けると、オイルの臭いが強いガレージのドアに辿り着いた。中の車には、廃車も混ざってあるが新社もある。雑多なガレージ。
「ソニアル!」
「はい! いかがなされたのですか!」
返事をする車。そのソニアルに乗って、リーエはおひるねこと共に遺伝子工学研究所へと走った。
「あ、そうだ! 後で、おひるねこにご馳走をしないとな……」
リーエはハンドルを強く握りながら、呟いた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます