第29話

 暗いトンネル内に眩しいくらいの明かりが取り戻されると、リーエとおひるねこの周囲をぐるりと銃を構えた女性軍人たちが包囲していた。…いや、正確には女性軍人たちは擬態したTUだ。それぞれが撃鉄を上げる。


 リーエは瞬く間に作戦を閃いた。瞬間的にソードエネルギーの出力を最大にし、その膨大な電流がトンネル内全てを激しく照らした。


 TUたちが戸惑った。

 何故かというと、逆光になっていて、リーエとおひるねこの姿が光の中へと消えていて見えなかったからだ。


 リーエは一体、一体、とTUを切断していった。


「ふはははっ、遅い!! そのまま寝ていろ!!」


 緑色の液体で地面が染まるほど、リーエはソードエネルギーで斬撃を繰り返した。TUたちはバタバタと倒れていく。

 だが、斬り損ねた一体だけのTUが、兵器運搬所とは逆のアベンジャーズ・ザ・ウィメンズの本部の方へと逃げ出してしまった。



「ふん! だから、貴様らは遅いと言っている!!」


 リーエはプラズマショットガンで狙いを定める。

 一発の電気的な発砲音がした。

 プラズマカートリッジが一つ地面に落下する瞬間。逃げたTUが高電圧のプラズマによってバラバラになっていた。


「それでいい。ずっと、寝ているんだ……」


 早撃ちもできるリーエは、マントを翻して缶詰を食べ終わったおひるねを連れ、本部へと向かった。 

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