第27話

 大型エレベーターは緊急事態なので急速に上昇していった。外気に当たるとさすがに寒い。


「あ、そうだ! エデル。この警備ロボットのやつを撃ったのは誰だ?」

「え? 知らないわ。なんでここに警備ロボットが……? これ……普通は兵器格納庫の兵器運搬所内に配置されてあるのよ?」


 リーエは即座に直観的に考える。複雑なことを一切除いてこの先何が起きるのかとそれぞれのパーツを頭の中で組み立てた。たどり着いた考えにハッとすると同時に、直ちに胸騒ぎがした。翻って大型エレベーターから飛び降りた。

 

「ニャーーーーーー!!」

 落下中。おひるねこの悲鳴が鳴り響いた。


 リーエは派手に土の地面に着地すると、兵器格納庫の大扉を再び開け、様々な機材を除けて奥にある薄暗いトンネルへと突っ走った。


 そこは兵器運搬所に繋がるトンネルだった。


「本当にすまんな! おひるねこ! 後で美味しいお鍋をたらふく食わせてやるからな! お前の好きそうな魚の鍋だ!!」


 リーエはおひるねこを抱え、片手に唸り声を発している最大出力のソードエネルギーを持ち。一人。暗闇のトンネル内を走った。


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