第26話

 エデルがフラングレー司令官の胸部を数発撃つと、胸元から緑色の液体が宙を舞っていく。それを見たリーエは少し後ろに後退した。


「エ、エデル? 本物のフラングレー司令官は無事なのか?」

「大丈夫よ。心配しないで……フラングレー司令官は今、最も安全なところにいるから」

「了解」

「それより、リーエ。これから空からの大掛かりな襲撃が来るわ。TUはあなたに全て任せろとフラングレー司令官に言われているの。だから、空は私たちが何とかするわね」 

「フフフ……。しばらくは、おひるねこと一緒か……了解だ」

 

 そこまで話すと、エデルがもう安全だと落ち着いたおひるねこを見てからベルトコンベヤーの下から這い出てきた。


「もうすぐ終わるわね。この戦いも……」

「いや、まだだ。まだ始まってもいないんだ」

 

 リーエがそう言うと同時に、いきなり緊急警報が辺りに鳴り響き。強い衝撃と振動がリーエとエデルを襲った。


「始まった……」 

「もう、こちらの被害は大きすぎるというのに……」

「フフフ、これから生き残ればいいさ……」


 リーエは、兵器格納庫から外へ出るとエデルがおひるねこを見つめた。


「うん? その猫? 研究所で飼ってた猫だわ……。いや、いつの間にかいたのよねえ」

「そうか……」

「うちではお昼泥棒猫って呼んでいたわ」

「フフフ。こいつには命を救われたな」

「じゃ、私は司令部へ行くから」

「ああ」


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