第16話

 異変に気付いた者がでた本部内は大混乱だった。

 通路を武装した女性軍人がひっきりなしに駆けていた。


 フラングレー司令官の無線から本部内全体へ緊急ミッションが発令している。スピーカーから聞こえるフラングレー司令官の声はそれらをTU「the unknown(未知なるもの)」と名付けていた。


「撃て! 撃つんだ! そっちの壁にもいる! ほら! 貴様の真後ろにもいるぞ! 周囲で少しでも嫌な感じがしたら構わず撃てー!」


 リーエは通路で銃を構えた一人の女性軍人たちに向かって、叫んだ。

 一人の女性軍人が銃を抜くが、一足遅かった。

 女性軍人の胸から血が吹きあがり倒れた。

 ものの数分で通路にいる女性軍人の数が減って来ていた。

 

「チッ! 上等だーーー!」


 リーエはおひるねこの向く方向へソードエネルギーで空間を切断していく。


「UWWWW! UW!」

「AWWWWWW!」

「UA」

「これで四体目だ! ほら、次へ行くぞ!」

「ニャー」

 おひるねこは首をかしげる。


 リーエは司令部へと急いだ。

 途中、数体のTUを斬り捨ててやっと、たどり着いた司令部は銃撃戦の真っ只中だった。


「よく来てくれた! リーエ! 緊急司令です! 最後の最後までここ司令部を守り切りなさい! こちらは援護に回ります。私たちには構わず全て斬り伏せなさい! そして、共に生き延びましょう!!」

 

 フラングレー司令官の言葉で、リーエは不敵な微笑を浮かべ。司令部の唯一の通路への出入り口で猫を抱えて仁王立ちした。 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る