第11話

 次の日


 リーエの寝台の脇にある目覚まし時計の赤いランプが明滅し、普段と違うけたたましいアラームが寝室に鳴り響いた。緊急警報だ。リーエは飛び起きた。


「何?!」


 寝台の傍の一刀のソードエネルギーを持ち出し、すぐさま廊下へと駆け抜け。

 玄関へと向かった。


 外へ出ると、アベンジャーズ・ザ・ウィメンズの東の方から大量の黒煙が昇っていた。


 クリスがソニアルに乗って、西の方角から猛スピードで走って来た。


「リーエ! すぐに来て! アベンジャーズ・ザ・ウィメンズの東部の資源貯蔵庫がSTFEに襲撃されたわ。さあ、急いで乗って! 貯蔵庫は大爆発の危険を伴っているし。この星の残り少ない燃料や資源が保管されているの」



「SH……?」


「そうみたいね。多分、SHには知能があるんだわ。エデルが今必死に、SHに知能があるのか分析中よ」

 

 都市一個分の巨大な敷地内にある資源貯蔵庫には、大量のSTFEが天空から襲撃していた。次々と飛来するSFTSの中には、地上へ降りると同時に資源にぶつかり爆発する個体もあった。


 資源貯蔵庫は所々から黒煙を吐き出していて、瓦解した建造物や種々雑多な幾つもある簡易貯蔵庫は半壊していた。


「もう、遅いわ! 無理だわ!!」

 猛スピードで壊滅的な資源貯蔵庫内を走るオープンカー内でクリスは真っ青になっていた。


 リーエはそんなクリスにニッと笑ってやった。


「まだ、戦ってもいない。何も始まってもいない」


 次の瞬間、急激に凶暴な顔になったリーエは、プラズマカートリッジをショットガンにリロードしていった。


「フフ……さあ、ここは狩場だ……戦いをしようじゃないか……」


 爆発し崩壊する建造物が目立ってきた資源貯蔵庫の中央まで、クリスはリーエの指示で車を走らせる。


 途中、リーエは数多のSTFEをプラズマショットガンで蜂の巣にしていた。


 ドンッと後方に大爆発が起きた。


「どうやら、ジェリーたちも来たようね……。 フラングレー司令官が軍隊をこの後、大量に投入してくれるそうよ! すぐには大勢は来れそうもないけれど、いわば人類側の掃討作戦が始まるわ」


 無線からフラングレー司令官の全軍指令が激しく鳴り響き渡っていた。


「ふん!」


 リーエは鼻で笑うと、資源貯蔵庫の中央で停車したソニアルから降りた。


「SHを片付けさえすれば……後はいいかもな……」


 様々な建造物や簡易貯蔵庫からSFTSによって煙が上がる中で、クリスはホッと安堵のため息をついた。リーエに任せていれば、もう大丈夫なのだ。


 リーエの肉眼は黒煙の中からSHを発見した。

 それはかなり稀な人型SHだった。


 両の手や腹や背からSFTSを大量に産み出している。

 様々な建造物や簡易貯蔵庫からSFTSによって煙が上がる中で、クリスはホッと安堵のため息をついた。リーエに任せていれば、もう大丈夫なのだ。


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