第6話

 リーエは強力な放射型電流で切断するソードエネルギーの二刀流と、プラズマカートリッジのショットガンを扱う。超一流のスラッシャーともデストロイヤーとも呼ばれ、合わせてデススラッシャーの異名を持つ頃があった。クリスは操縦や銃器のプロフェッショナルでリーエのサポート役をいつも買ってでているが、その戦闘能力は非常に高い。


 アベンジャーズ・ザ・ウィメンズの司令部は、明滅する機材に囲まれていた。不思議と機械音はしない。女性だけが所狭しと忙しなく端末を操作している。ここがアベンジャー・ザ・ウィメンズの心臓部だ。その中央の大椅子に華奢な女性がちょこんと座っていた。


 フラングレー司令官だ。


 二人が敬礼をすると、「よく来てくれましたね」とにこやかに敬礼をした。なんでも、フラングレー司令官はフランス人の両親を持つ生粋のフランス人だ。


 リーエとクリスと同じ切れ長な目をした端正な顔立ちだった。滝のように流れる長い赤髪のリーエに、金髪のショートカットのフラングレー。クリスは黒のロングヘアだ。

 

 美人が三人も揃っているのだが、司令部は今日も凛としている。


「来て早々で悪いな……早速、南西部の危険エリアの砂漠地帯へ向かってほしい。場所はサソリの砂粒の谷だ。一人はもう行ったぞ。……リーエ……これを……」

「?」

 フラングレーはリーエにアドレナリン超加薬を5本も渡した。

「フラングレー司令官! そんなに渡してしまっては! 全部使ったらリーエの身体が確実にもたないわ!!」


 クリスが心配して叫ぶ。

 だが……。


「サソリの砂粒の谷で、未確認のSFTSを確認した。我々はそれをSEA HOIE(海の穴)略してSHと呼んだ。一体で大勢のSFTSを産み出すんだ。非常に強力な戦闘能力を持つSFTSだから……二人とも死ぬなよ……これは命令ではなくて……少々強引なお願いだと思ってくれないか」

「SHか……フフッ」

 リーエは不敵に笑うと首を鳴らした。

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