第5話

「そういえば、南西部の砂漠地帯……危険レベルの高いSFTSが度々出るって話よ。あそこでは死傷者が絶えないようね。……こちらの数が減るのは気をつけた方がいいかも知れないわね」

「あら、そうなの」

 リーエはそれを聞いてニッと好戦的に笑ってやった。


「確か、エデルはまた待機のようだけど、もう一人来るそうよ」

「う! 私。共同作戦は、苦手なのよ……」

 リーエはクリスの発言が冗談だと思いたかった。

「仕方ないでしょう。それに、リーエは突っ走るのが得意でも、力が暴走する薬を使い過ぎよ……アドレナリン超加薬。あまり使わない方がいいわよ」


 エデルはアカデミーを主席で卒業した後、その秀才ぶりをアベンジャーズ・ザ・ウィメンズに買われ、あらゆる分野の情報収集と機械の専門家の参謀将校となった女性だった。いつも研究室内にいるので、みんなからはもう研究室の所長になっているのではと密かに噂されている。


「ねえ、リーエ……あなたはどう見ても切り込み隊長よね。昔、デススラッシャーと呼ばれていたんでしょ」

「ああ……」

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