こよい はるか様のリレー小説、第二話! ⚠三話を執筆される方しか読まないでください⚠

人とAI

第2話

その時から、私の片想いが始まったんだと思う。

御園高校入学後、数日が経ち、クラスにも慣れ始めたころ。

私が所属しているクラスの教室では、ある話題でいっぱいになっていた。


それはもちろん、『恋バナ』のこと。

入学してからまだ一ヶ月も経っていないけど、すでに恋愛をしている人もいれば、恋人がいない人だっていっぱいいるわけで。


そういう人たちは、誰と誰が付き合っているとか、告白したとかしてないとか、そんな話ばかりしていた。

私も、好きな人がいるにはいるんだけど……でも、そんな勇気がないっていうか……。

そんなことを思っていた時、不意に声をかけられた。


「ねえねえ、蒼空ってさ、好きな人いないの?」

いきなり声をかけられてびっくりしちゃったけど、声をかけてきた子は、幼稚園からの幼馴染の津布楽加奈。(つぶら かな。)

ちなみに加奈のことは、普通に下の名前で呼んでる。

「えっ!?い、いや、別に……」

心の中に三年の矢崎優(やざき ゆう)先輩の顔が浮かぶ。

「えー?怪しいなあ」

「そ、そんなことないって」

「ばーか、おこちゃま蒼空に恋愛なんて無理無理。」

急に会話に割り込んで来たのは同じく幼なじみの東雲海。(しののめ かい)

「むっ!なんだとぉ!?」

「まあまあ、二人とも落ち着いて」

私、そんなにおこちゃまじゃないもん。

確かに恋愛経験ないけどさ……。


「そういう海こそどうなのよー?」

ふふん。どーせ居ないんだろぉ?ほれほれ、言えるものなら言ってみな。

「俺はな、好きな奴ならいるぞ!」

「えぇっ!?だ、だれよ!!」

「ふふん、それはだなー……」

海がニヤニヤしながら言おうとしたその時だった。

ガラガラガラッ 教室のドアが開いて、先生が入ってくる。

「はーい、席につけー。HR始めるぞー」

「ちぇっ、時間切れかあ」

そう言って海は自分の席に戻る。


海の好きな人を聞かなくてほっとした自分がいたことに、この時の私は気づかなかった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

こよい はるか様のリレー小説、第二話! ⚠三話を執筆される方しか読まないでください⚠ 人とAI @hitotoai

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ