第28話 エッチな気分でもいいから、思い出そう!漫画家の吉田戦車は、日本の夏、蚊との戦いで、大切なことを教えてくれたじゃないか!

 夜の、戦い。

 蚊との戦いは、日本の夏の、あるある事件。

 「こいつめ!ミツバチみたいな格好を、しやがって!」

 ひっぱたくと、変な音が、したんだよな。

 「ぺひ!」

 蚊の足、おなかを、叩くことができたんじゃなかったか。

 「何だ?こいつ、ミツバチみたいじゃないかよ!」

 あの蚊も、モスキー子様のような格好だったな…。お尻に針をもつ、黄色の、しましま模様。

 「日本の夏が、悪いんだ」

 あがき。

 「あら、あら。言うのねえ」

 もだえて。

 「あ…ああ…。日本の夏が、悪いんだ」

 「ふうん」

 「悪かった。今まで、蚊を、いじめすぎていました。ごめんなさい」

 「…キャッ!」

 モスキー子様のお尻から、針が、ちょこんと、顔を出した。

 「こういう子って、俺ら男子は、フツー、どう、思うのかな?」

 危険とファンタジーって、案外、紙一重なのかも。

 しかし、腕をまくって、差し出すわけにもいくまい。

 「さあ、蚊たち?俺の血を吸って、良いぞ?」

 それをやって、漫画家の吉田戦車は、日本脳炎になったんじゃなかったか。

 「あら、エッチ」

 「立派なのねえ」

 2人(?)の蚊は、ケラケラと、笑っていた。

 「じゃあね、君?」

 「良かったわ」

 「さすがは、努力をしてがんばってきた世代から、たくさんのものを吸ってきただけ、ある」

 「モスキー子様?それ言っちゃあ、いけませんよ?」

 「…」

 ゆ×り君には、言い返せなかった。

 「私たちも、たくさんの血を、吸ってきたわよね」

 「はい。モスキー子様!」

 「学校の先生たちの血は、きたならしかったわあ」

 「コームインだけあって、濃厚でしたけれどね!」

 「金がなくなれば、弱い人たちから、金を奪う」

 「その意味では…」

 「君のようなゆ×り君も、コームインたちと、同じようなもの」

 「何だと!」

 「ああん!」

 「エッチ!」

 「こうして、やる!こうして!」






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