第2話親睦会

 「マジかよ・・・」


 「えー・・・」


 あとから入ってきた悠二と彩音も俺と同様に驚いている様子だった。


 とりあえず俺達は自分の席に着いた。


 しばらくすると、女の先生が入ってきた。


 「えーこのクラスの担任の紅林響くればやしひびきだ。一年間よろしくー」


 まったくやる気が感じられない挨拶にクラス全員が困惑している。


 俺達はもしかしたらヤバい先生を引き当ててしまったかもしれない。


 ちなみに先生は今学期から赴任してきた先生らしい。


 そんなことを思いつつ、先生の指示により自己紹介をするように言われたが恥ずかしがってなかなか始まらない。


 すると一人の男子が立ち上がって自己紹介を始めた。


 「僕の名前は、天道晴翔てんどうはると部活は知っている人が多いと思うけどサッカー部に所属しているよ!このクラスにはまだ喋ったことない人達もたくさんいるから仲良くしてくれると嬉しいな。これからよろしく!!」


 一礼したのうち、周りから拍手が巻き起こった。


 そこからスムーズに自己紹介が進んだ。


 そしてクソ元カノ二号の番がきた。


 「えっと、私の名前は、寺本美九です。部活はつい先月辞めたんですけど、バスケ部のマネージャーでした。これからよろしくお願いします」


 俺は美九がマネージャーを辞めたのを知らなかったから少し驚いた。


 続けて彩音が


 「黒崎彩音です。部活には入ってません。趣味は読書です。よろしくお願いします。」


 晴翔と同じように拍手が巻き起こり、男子の中には歓声を上げる者もいた。


 次に悠二


 「俺の名前は小日向悠二だ!部活は彩音と同じで入ってないぜ!だから、いつでも遊びに誘ってくれ!一年間よろしく!」


 陽キャオーラ全開にしながら言うと、拍手や笑い声が聞こえてきた。


 どうやら、悠二の第一印象は良さげみたいだ。


 そして、最後に俺の番がきた。


 「山崎脩です。元バスケ部で趣味は特にないです。えっと、まぁ一年間って思ってます!よろしくお願いします!」


 俺は一部強調しちょっとした皮肉を言ってみたが周りの反応は


 クラスの大半は拍手をしてくれたが去年同じクラスだった奴らは気まずそうにしていた。


 悠二と彩音はこっちをみて少し笑いながら拍手してた。


 そして美九は、気まずそうに俯いてた。


 こうして無事?自己紹介も終わり、その後は春休みの課題を提出したり今後の予定など聞いただけで終わり放課後になった。


 俺達は帰りの支度をし終え教室を出ようとしたら


 「ちょっと待ってくれないか山崎君!あとそこの二人も!」


 俺達三人は晴翔に呼び止められた。


 「・・・・なんか用あるの?」


 「まだみんな仲良くなれてないから今からカラオケに行って親睦会を開こうと思って、それでぜひ君達三人にも参加して欲しいんだけど。どうかな?」


 「いいね!俺行くよ!脩と彩音はどうする?」


 「悠二が行くなら俺も行くよ」


 「脩が行くな私も行くわ」


 「ありがとう!!あ、そうだ!三人とも連絡先交換しよう!」


 俺達は晴翔と連絡先を交換し、カラオケに向かった。


 部屋番号は晴翔がLIMUで送ってくれてたからすぐ部屋に辿り着いきドアを開けるとすでに女子達が楽しそうに歌っていた。


 邪魔しないように静かに席に座った。


 それと同時にドアが開いた。


 ドリンクを取って帰ってきた美九とその友達のようだ。


 最悪なことに俺は美九と目が合ってしまったがすぐに目を逸らした。


 しばらくすると、晴翔も来てだんだん周りもテンションが上がり始めた。


 これが陽キャの力か。てか、地味に悠二も交じってるじゃん。すげぇなあいつ。


 そんな中俺と彩音は周りのテンションについて行けてなかった。


 「美九ちゃんって今彼氏いるの?」


 音楽の音が大きくて聞こえにくかったがそんな会話が聞こえてきた。


 俺はもう美九に興味なんて無かったが聞き耳を立てた。


 「えぇえええ!?二ヶ月前に別れたの!?てか、あの藤宮先輩と付き合ってあの!?」


 「ちょ、ちょっと!?声大きいよ!?」


 どうやら俺と別れたあと、3、4ヶ月は付き合ってたぽい。


 「ごめん、ごめん。それでなんで別れちゃったの?あんなイケメンで性格も良さそうじゃん」


 「それがね。。」


 「そ、そうなの!?そんな奴なら別れて正解だね!でも、まさかあの藤宮先輩がそんな人とは。」


 勝手に聞いといてあれだが俺はこのクソ女に腹が立っていた。


 なんでお前が、被害者ぶってんだよ。浮気してた分際で。


 俺は無意識に手の拳を力いっぱい握りしめていた。


 そんな俺を見て彩音はそっと手を握った。


 「落ち着いて。怒る気持ちも分かるけどいい加減手から血が出ちゃうわよ。大丈夫。ね。」


 ん?。でも、思い出せねぇや。


 「・・・すまん。もう大丈夫だ。」


 「それならよかったわ。どうする?帰る?」


 「そうするか」


 俺と彩音は帰る支度を始めた。


 すると、


 「脩!帰るのか?」


 「あぁ。帰るよ。悠二はどうする?」


 「じゃあ俺も帰るわ!ちょっと待ってて!」


 その会話を聞いた晴翔が、


 「もう帰るのかい?短い時間だったけど楽しかったよ!」


 「俺も楽しかったよ。誘ってくれてありがとう!また学校でな。行くぞ悠二!」


 「おう!」


 部屋を出るとき美九がこちらを見ていた気がするがそんなのどうでもいいか。


 カラオケを出て俺達は今日あった面白いことなどを振り返りながら帰った。


 家に着き俺は風呂などをさっさと済ませベットに入った。


 流石に疲れたからすぐに寝てしまった。


 こうして大変だった一日が終わった。


 


 


 



 


 




 


 


 


 


 


 


 


 


 

 


 


 


 


 


 


 


 



 


 

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