第5話
その日も深夜から午前中にかけて、ユウナを探した。警察が動いてくれないのであれば、もう仕方がない。僕が世界中を探しても、ユウナを見つけなければ。
道ゆく人にユウナについてたずねてみる。どの人も、顔に影が落ちたようで黒い。誰もまともに話を聞いてくれないので、さっさと通りすがろうとする人々の腕を掴む。強い力で振り払われて、腹が立った。
あなた達にとってはどうでも良いことなのかもしれないけれど、僕にとっては全てなのだ。それをわかってもらいたくて、背を向ける人の脚止めを必死にする。
投げ飛ばされて、ひっくり返る。強く頭を打った。
空にある太陽からは、両腕両足が力強く生えていて、そこからムダ毛がそよいでいた。
極彩色の光が僕の目を通って脳に届き、細胞を焼き殺していく。妙に笑いが込み上げてきて、頭ではなく心で感じた。
それは世界の終わりだった。
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