第64話 海賊退治です 二島目
「皆さん到着です♪ 楽にしていて下さいね♪ あっ! マリーアお願いがまたあるのですよ!」
「うふふ。分かっております。······三十名でございますね♪」
「うん♪ みんなには急で悪いんだけどお願いしますね♪」
「かしこまりました」
一気に三十人増えましたので、またまたメイドさん達に軽食をお願いして、またまたカヤッツ達に海賊を引き取って貰いお宝の島に戻りました。
「次の島は、真東より少し左だね♪ ん~? 動いてるね? あっ、船で移動してるのか。その近くは······二十人ほどいるのが島だね♪ よし、船から行くよ」
「そうね。そうなら最初から戦闘があると思うから油断しないでねライ」
「はわわわ! 頑張って下さい!」
「うん。そのつもりで行くよ。プシュケはそのままテラとムルムルをよろしくね。それでは行きますよ、転移!」
パッ
小さな船ですが甲板上と見張り台に併せて十五人ほど、その人達にぐるぐるをすぐさま開始します。
「な、なんだこのガキどもは! 急に現れやがったぞ!」
「敵襲か!」
「なに! 敵襲ってガキが二人だけじゃないか! おいお前らどこから来やがった!」
おっと、お話ししてくれるのですか、それは時間稼ぎに良いですね。
ぐるぐるしながらなるべくお話しを引き伸ばしましょうかね。
「こんにちは。突然おじゃましてごめんなさい。少しお聞きしても良いですか?」
「なんだコイツ。俺達が怖くねえのか?」
うんうん話に乗ってくれそうです。
「おじさん達って海賊さんですよね?」
「ん? なんだガキは海賊にでもなりたいってのか? そんな甘かねえぞ海賊ってのはよ」
なりたくないですよ~だ。でもそんな事を教えてくれるなんてちょっと良い人?
「何てったって捕まれば極刑か一生奴隷だぜ? まあ捕まらねえがな。ギャハハハハハ」
ですよね。でも僕が来たのですから捕まって貰いますよ。
「んな事よりこのガキで楽しまねえか?」
え? 楽しい事? 海賊の遊びなのでしょうか? どんなのですかね。
「おお。そりゃー良いな。男は俺は要らんが奥の女は俺が貰うぜ」
「ゲヘヘヘ。じゃあ男の子は俺がいただくぜ」
「ライ。あなたが考えてるような遊びじゃないわよ。でもまあそろそろね」
テラがそう言いましたが少し気になりますので、後でどんな遊びか教えて貰いましょう。
海賊達は何か順番を決めているようで、
当たりが先を結んだヤツのようですね。
少しくじ引きをやってみたい気もありますが僕は入れてもらえませんよね~、まあもうそろそろですね。
「よし! じゃあみんな紐を握ったな。せーので引け、先が結んであるのが当たりで一番だ! 見張りが一番なら誰か見張り台にあがれ、残りはこの後決めんぞ! 行くぞ! せー······」
ドサッ
「おいおいどうした! って、うひょ~当たりだぜ······」
ドサッドサッと次々に倒れて、甲板には僕達だけが立っている状態になりました。
「上は終わりだね。下にもいそうなの?」
「ちょっと見てみるわね。
「了解。じゃあ下りるところどこかな?」
「ライ、あの穴じゃない?」
テラが指差す方向には四角く床に穴が開いていて、蓋のような物がはね上げられています。
近付き覗いてみると梯子が取り付けられていて下りられそうです。
「うん。ここみたいだね、早速僕が先に下りるからプシュケは後から付いてきてね」
「はい♪ 梯子上り下りは家で毎日屋根裏に上がるためやってましたからね♪ 得意中の得意です♪」
「おお。それなら安心です。ではお先に」
僕はぴょ~んと穴から下に飛び下りました。
「ライに梯子は必要ないみたいね」
「あはは······ですね。じゃあ私達も行きましょうか」
飛び下りたところは木箱が積み込まれているだけで他には特になにもありません。
蓋の空いた木箱を覗くと隙間に草が詰められた瓶がぎっしり入っていました。
「お酒かな?」
1本取り出してみるとワインのようですね。料理用に何本か貰っておくのも良いかもしれませんね♪ この前作ったシチューはとても美味しかったですし。
「何か良いのあったの?」
「テラ達には残念だけどワインですね、料理用に少し貰おうと思って」
「な、何の事か分からないけど良かったわね。それよりもう一つ下よ。早く助けちゃいましょう」
「うん。じゃあ次は階段ですから僕の後に付いてきて下さいね」
階段の先は扉もなく僕達の声も聞こえていたはずですが誰も出てきませんし、どうしたのでしょうか?
気配はみんな中にありますし、居眠りでもしているのかな?
そして階段を下りきりそ~っと中を覗くとテーブルでお酒を飲んで本当に居眠りしてる二人の海賊がいました。
「テラ、あの寝てる二人で良いんだよね?」
「そうね。そうなんだけどこの緊張感が霧散してしまって、沸き上がる怒りはどうすれば良いのかしら。まあ良いわ。ぐるぐるやっちゃいなさい!」
テラのお怒りも分かる気がします。僕だって木の棒ですが構えながらいつ飛び出してきても良いようにしていたのに。
こうなんだかやりどころのない怒りなんですかね? グツグツ沸いてきますよね?
「よし、起こそう! こんにちはー! 皆さん助けに来ましたよー!」
入ってきた僕達に気付いても口に手をやり黙っていてくれた皆さんには申し訳ないですが、『え? 起きちゃうよ!』って顔してますがやっちゃいました!
「んがっ、なんだってんだ! クソデカイ声出しやがって! 船長の俺が寝てんだ! 静かにしねえか!」
「てめえもやかましいんだよ副船長! いつから俺の上になったんだ? ああん?」
くふふふ。二人とも起きましたね。
そこそこ魔力もありそうですから五分くらいはお話しできると良いのですが。
「けっ、その内俺が
「てめえ! ぜってえぶっ殺してやるからな!」
ほうほう。喧嘩しちゃ駄目なのですが、この場合はどんどんやって下さいですね~。
ん~! そうです、ここで質問なんかしちゃえば少し考える時間が取れるかもしれませんね。
「あの! そちらの方もの凄く怒っていますが大丈夫ですか? もしかして僕達何か邪魔しちゃいました?」
「あ? 頭。そんなに怒んなよ、ハゲるぜ? ああ! すまねえなもうてっぺんがハゲてたな。くはははは!」
「よーし、てめえ死にたいらしいな。表にでやがれ! 勝負だ!」
「ああん! 良い度胸じゃねえか! 今までは勝ちを譲ってただけって所を見せてやらあ!」
二人はドカドカと足音を立て階段を登っていきました。
「ねえライ。たぶん梯子の辺りで魔力切れよ」
ドサッ
「何落ちてやがる! さっさと登っ······」
ドサッ
「ほら。落ちたじゃない······」
「ここで気絶してもらうつもりだったのですが······なんだか悪いことしちゃいましたね」
サーバル男爵領で働いてもらわなければいけませんし、怪我してないと良いのですが。
「まあまあ。それより皆さんを解放しないとですよ! ライ鍵は?」
その後、プシュケが言ってくれたので思い出した鍵を探して船の中を探し回り、最後の方で見つけたのですが、実は頭さんが持っていました。
僕は謝りながら鍵で皆さんを解放し、屋敷に戻って折り返し次の島の方に転移しました。
よし、次は遊ばないでしっかりやりましょう。
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