第57話 ぷにぷにとパパ
「こんなことって! ライこの水晶だけ取り除ける!」
「やってみるね! ん~と、ほいっと!」
送り込んだ魔力ではなくて魔力を内封している水晶の、たぶんこれが封印の魔力だと思うのでぐるぐる回して~そ~っと外に出しましょうか······
ぬぐぐ、抵抗しますね。
負けませんよ!
「あなたそれは創造神様が創った」
え? 何か言った? 今はそれどころじゃありませんので後にして下さいね!
「行けそうです! ほ~らおとなしく収納されちゃいなさい! ほいっと!」
その瞬間水晶は砕け散りましたが収納して、落下しそうな赤ちゃんの元に駆け寄りギリギリ滑り込みながらも抱き止める事ができました。
「はふぅ。もう少しで落としちゃうところでしたね。もう大丈夫ですよ♪」
「
「あはは。なんだか難しそうなお顔をしてますね♪ くふふふ、ほっぺがぷにぷにですよ♪」
「まあ♪ 本当です♪ 可愛いですね♪ ぷにぷにぃ~♪」
「
「え? エリスその状態で意識はあるの?」
「
「あるようね。私はテラ(大地神の今は分け身ね)」
「
おお! テラは赤ちゃんとお喋りができるのですね! 羨ましいですね。
(念話の方が良さそうね。エリス)
(そのようね。私は創造神に封印されたはずなのにこの状況は? このほっぺをぷにぷにする子らは何? それに神力が善神になっているのもおかしな話だけれど)
(そうなのよ。私もこんな事が起こるなんて思わなかったわ。ぷにぷにしているのは私の弟子よ、放っておきなさい。あなたが邪神だった事をすっかり忘れているみたいだから止まらないわよ。ところでエリス、あなたは神界に戻った方が良さそうね、冥府じゃなくて)
(ええ。在り方が変わってしまっているから崩壊が起こるでしょうね。だからそうして貰えると助かるわ。って、どこ触っているの!)
(お尻もぷにぷにみたいね。うぷぷ。ごめんごめん。じゃあ今の私にできるかどうかだけど頑張ってみるわ。そうだ、あなたの封印を解こうとした奴らの事は知っているの?)
(いや。あん♡ ここ数年たまに封印を傷付け壊そうとしているのは分かったけれどそれ以上は何も分からないわ。あん♡)
(ありがとう。はぁぁ、ライ達少しは遠慮して上げなさいよ。本当ごめんね。よし!じゃあ門を開くね)
テラとぷにぷに赤ちゃんはしばらく念話だろう方法でお話ししていたみたいですが、急にテラの魔力が上昇し始めました。
「おお! テラの魔力凄いよ! 何をやるのか分かりませんがお手伝いしますね♪」
さっきの残りと辺りから魔力を集めます。
砕けていない残りの水晶からもいただいてしまいましょう!
「よしよし♪ テラ行くよ~テラの魔力に同調させるからね~、ほいっと!」
「嘘っ! なんであなたがこの力を! でもこれなら行けるわ! くふふふ! ライ! どんどん私に流し込みなさい!」
小さなテラの体が眩しく光り輝き、少し大きくなった気もしますが、どんどんって言うなら!
「任せて! 範囲を広げて貰ってくるから! ぐるぐるぅ~、ほいっと!」
「うっひょ~! 来た来た来た来た! いっくわよ~! 私の名はテラ! 門よ現れその門を開けるのよ! えい!」
ドームの天井付近の空間が歪み始めました。
ピシッ!
耳が痛いほどの大きな音が鳴ったと思ったら空間が裂け、どんどんその隙間が大きくなっていきます。
「誰がきたのかな?」
何か喋っているようですが、さっきの音で耳がキーンと鳴っているので全然聞こえませんが、割けた隙間から大きな手が出てきてぐいぐい広げていきます
「テラ。お前がこの門を?」
「あら。パパじゃない。珍しくお仕事しているの?」
「くはははっ! まあそんなところだ。ふむふむ。分かった邪神エリスが善神になっているから連れていけと言うことだな」
「そうよ。お願いね♪」
「しかしテラ、小さくとも可愛いのう。
「ぼちぼちやっていくわ。今はこの子達、ライとムルムルと旅をするのが楽しいからもう少しゆっくり待ってて」
「ほう。中々の美少年ではないか。婿に」
「パパ! 無駄口叩かないで早くエリスを連れて帰りなさい! 全くもう! ママに言い付けるわよ!」
「なんだよ。ちょっと、それも良いかなって思って口に出ただけなのにテラが苛める」
「はぁぁ、ほらほらいじけないでエリスが崩壊しかかってるから」
「うむ。ではなテラ」
「じゃあねパパ。またねエリス」
ピシッ!
さらに空間が大きく裂け、エリスが僕の手から浮き上がり空中の裂け目に吸い込まれていきます。
「じゃぁね~」
テラが耳元で何か言っているようですがまだ聞こえませんが手を振っているので僕達も一緒に手を振りました。
そして徐々に裂け目が小さくなり空間の歪みが無くなりました。
「あ~あ~、まだ耳が聞こえないね。回復、ほいっと!」
僕とプシュケの耳に回復をかけ治します。
「あ~、よしよし聞こえるようになりました。プシュケも大丈夫?」
「はい♪ ところでぷにぷに赤ちゃんはどこに行ったの?」
「天界よ。邪神から善神になっちゃったからね」
「良い神様になったんだね♪ そう言えば僕が転生する時の神様美人でしたよ♪」
「くふふふ♪ まあ良いわ♪ じゃあここも用済みだし戻りましょう」
そして俺達は階段を上り、祭壇があった場所に戻りました。
「この人達どうしようか? 祭壇を戻しておく?」
「そうね。一応調べるわね。
「うん。収納!」
あっという間にすぽぽんさんが七人完成です。
「はぁぁ、パンツは履かせてあげなさい。コイツら殺人、強姦、恐喝、他にも色々称号がある悪者だけれどあまりにも可哀想よ」
「あっ、そうだよね。この前みたいに町に入れてもらえないかもしれないですからね、ほいっと!」
「まあ······それで良いわ。どこに運ぶの? コイツら魔力はそこそこあったからサーバルに連れていって奴隷として働かせるのもありよ」
「そうなんだ! じゃあ父さんに任せれば良いよね♪ ん~と、書斎で良いかな? 行くよ~、転移!」
パッ
そうして僕達は七人を連れて、父さんの書斎に転移しました。
「到着です♪」
「とわっ! な、なんだライか、ビックリさせるな。ん? その裸の奴らは誰なんだ?」
「東の森で邪神を解き放とうとしていたから捕まえたんだ。それと悪者の称号があるんだけど魔法が使えるし、奴隷としてサーバル男爵領で働かせようと思って。どうかな?」
「ライ。持っていた魔道具を見せれば分かるわよ」
「そうなの? じゃあ全部出すね♪ ほいっと!」
父さんの大きな執務机の上に魔道具や服も全部出しました。
「ふむ。確かに王国では所持すら禁止されている物がいくつかあるな。これは結界破りか。宝物庫すら開けられる代物だぞ」
父さんは一つずつ手に取り調べています。
服まで広げたり裏返して何か仕込みはないかと丁寧に。
「分かった。これだけの物を東の森とは言えこの国に持ち込んだと言うだけで犯罪奴隷は確実。私では分からない物もあるから処刑もありうるかもな」
父さんは少し七人を見ながら考え、答えを出してようです。
「一旦奴隷にして明日王城に出向くとしよう」
「じゃあ。任せちゃいますね。それでは僕は旅に戻りますね♪」
「ああ。行ってらっしゃい」
「は~い♪ 行ってきます。転移!」
パッ
洞窟の入口のところに戻り、海へと向かいます。
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