魔王と書いて最強と読むのだ
「くそっ! もう一度だっ!」
「「絶対零度!!」」
龍也と大河はステレオ魔法を魔王に向けて放った。
肉体を構成する分子の振動を停止させるオリジナル魔法であった。
「無駄無駄無駄無駄――!」
魔王は
兄弟の魔法は圧倒的な魔力波に掻き消されて、雲散霧消した。
「なぜこんなことに……」
片腕を失って倒れ込んだクレイモア大尉は、唇を噛み締めた。
途中までは優勢だったのだ。
異世界魔法と双子のコンビネーションで魔王を翻弄し、体力を削った。魔王が逆転の大技に打って出た瞬間、満を持してステレオ魔法をカウンターでぶつけた。
差し合いは兄弟に軍配が上がり、魔王の体は弾けて2つにちぎれた。
「やったか?」
思わずクレイモアが叫んだ瞬間、魔王の体が真っ赤な光を発した。
「見えたぞ! 感じたぞ! 貴様ら二人で一人だな?」
魔王はステレオ魔法の本質をたった一度の被弾で見破った。
「ならばこちらも二人で相手をしよう」
そういうと、ちぎれた体がそれぞれに小さな魔王となって立ち上がった。
「「いや、一人であることは変わらんな」」
魔王の分身はどちらも完全な魔王である。双生児以上にシンクロしていた。
「ははははは……。覚えておけ。魔王と書いて最強と読むのだ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます