第33話 攻めた行動
「お風呂お先に上がりました!」
照はバスタオルを片手にテクテクとイスに座る大地の元に歩いてきた。彼女は現在、大地の自宅に身を置く。
彼女はフリフリしたスカートが付いた白のキャミソールを身に纏っていた。巨乳なため、胸がキャミソールを突き破りそうになっていた。
また、そのせいで彼女の雪みたいに真っ白な胸元や生足が盛大に姿を披露していた。
「うん。そうか。じゃあ、俺も次に入ろう・・・。って、どうしたの!その服装!!」
大地は目を見開き、身体を仰け反りながら驚嘆した。
「へへっ。ちょっと。私なりに攻めてみました」
照はほんのりっと顔を赤くしながら、髪の襟足あたりをいじった。
彼女は普段、清楚系の服装をする。そのため、こういった肌の大部分を露わにする服を決して着ない。
「それはちょっと・・・攻めすぎだよ」
大地はわなわなと口を震わせながら、照の全身を上から下まで確認した。
「そ、そんなことないですよ。世の女性は彼氏さんの前ではこれぐらい露出した服を着るらしいですよ」
照は大地の反応が思ったものと違ったのか。不満そうに口を尖らせた。
「その情報のソースは?」
大地は目を細め、ジト目を向けた。彼は大方、未来の彼女の返答が予測できた。
「もちろん。インターネットです!」
照はなぜか腰に手を当てながらふんっと胸を張った。その行動が要因で彼女の豊満なナイスバディがより強調された。
大地は『やっぱりそうか』と内心で思いながらも、誇らしげに情報源を口にする照を非常に愛苦しいと思った。
「とにかく、目のやりどころに困るから。俺がお風呂から出る前には着替えといてよ!」
大地は軽くたしなめながら、イスから立ち上がった。そして、照の横を通り過ぎた。その結果、シャープの香りやボディソープの香りが大地の理性を強く刺激した。
「いやです!絶対に着替えません!!」
突如、照は大地の背後にがばっと抱きついた。両腕は腰に回され、胸や髪は身体に密着された。
「なんでだよ。俺の気持ちを考えてくれよ」
大地は動揺した顔で明らかに目をキョロキョロさせた。
「冷たいですね。本当に私の彼氏さんですか?それとも、私の彼氏さんは彼女が勇気を出して、肌を露出させた苦労を何かしら褒めてくれないんですか〜〜」
照はぷくっと頬を膨らませながら、ツンツンと大地のほっぺをつついた。彼女はあからさまに不服そうな顔を作っていた。
「もぅ〜。ドキドキするからだよ。だから、着替えて欲しいの!自然と、あの〜、う〜ん。露わになっている身体の部分に目が行っちゃうから!!」
大地はりんごのように顔を真っ赤に、硬く目を瞑りながら、大きな声で叫んだ。言動から分かるように、明らかにむきになっていた。だが、多大な羞恥心も感じていた。
「・・・」
一方、照は何かしらの反応を示さなかった。ただぼーっと上の空のような表情をしていた。
「そ、そうなんだ。ドキドキしてくれてたんだ。それって、効果アリってことかな?・・・」
しばしの沈黙から口を開くなり、つい先ほどとは劇的に様子が変貌した。俯きながらりんごよりも赤く頬を染めていた。
それから自然と大地から離れ、手に持っていたタオルで口元をそっと隠した。
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