第3話 異世界最高!
2時間後……。収納魔法から女騎士アリアとなんか名前が長いお嬢様からメッセージが届いたので、解放してあげる。
「先程は済まなかった。何も事情を聞かずに殺してやるなどという暴言を。どうか許してくれないだろうか」
「うむ! 許す!!」
「え……? 貴方はその魔法がなければ私に殺されていたかもしれないのだぞ? そんなに簡単に許してくれるのか?」
「だって面倒じゃん。 どうでも良いよそんなこと。はい。という訳でお礼の話に戻ろうか」
俺は劣悪な盗賊からお嬢様を助けた。だからお礼って話になった訳なのに、そこで襲われたんだよな。
命の貸し借りなんて。その前にお礼が大事だ。
「そ、そうか……それは深く感謝する。なら私もお嬢様と王国へ向かうとしよう」
「オーケー」
そうして俺はお嬢様と女騎士とで馬に乗って王国とやらに向かった。二日掛かった。
それでなんか王様っぽい人に出会って……。
「おぉ、お主が我が娘を助けてくれた者か! 本当に感謝する。それで……お礼は何が欲しい? 儂が用意できるもので有れば、どんなものでも渡そう」
どんなものもだって!? ふ、それなら迷うことは無え。
「んじゃとりあえず金100億。これだけ有れば、最早生きるのに困らないかなと」
「ひゃ……100億か。なかなか強欲なのだな。まぁ……良い。娘を助けてくれたお礼が金で解決できるのなら本望じゃ。
良いだろう! 明日までに100億。用意してやろう。明日、また取りに来ると良い」
「やったぜ! じゃあ、今日泊まる宿の代金は、王様の負担でお願いねー」
「うむわかった」
異世界最高!! お嬢様助けただけで億万長者かよ! 前世の記憶は無いけど、金の貯まりにくさはなんか感覚が覚えてるぞ……?
それはさておき、俺は宿ではなく、王宮の客室のベッドで寝かせてくれることになった。超ふかふかのベッドに………なんかすけぇ!
そうして、次の朝。俺は王様から約束通り金100億を貰い、収納魔法に入れようとするが……?
収納:Lv1[収納限界100/100]
盗賊×3
馬×1
金×96
いやうそやろ? 金1につき収納1消費はやべぇよ。最大でも持てるの金100までじゃん。子供が使う財布より入んねえよ!?
俺はとりあえず馬と盗賊の死体をその辺に放り出して、金で収納を最大にした。
この収納ってどうすればレベルが上がるんだろう?
そんな俺の様子を目の前で見ていたのか。王様は驚く。
「まさかお主……収納魔法を持っているのか……!!」
「いや、まぁ。100個が限界なんすけど」
「あ、そう……か」
いや、なに露骨に興味なくしてんだよ。
「あ、王様も収納魔法しってるなら、レベルの上げ方とか分かりますかね」
「なんじゃと!? レベルがあるのかその収納魔法は!
通常、収納魔法は。そもそも限定的で特殊すぎる魔法として、代々昔からずっと研究され続けてきた魔法なんじゃ」
ん? なんか始まったぞ?
「収納魔法は、魔法の基本属性。火、水、風、雷、土、光、闇、無の8つの属性どれにも属さない魔法での。
研究者はそこに新たな属性を開発したんじゃ。それは時間、次元の二つ。
時間は主に、一定の空間に流れる時間を切り離し、その空間だけ時間を遅くしたり加速したりする魔法に使われ。
次元は、世界の構成に歪みを与えることで、世界の複製。全く別の次元に切り離すことで、全く新たな空間を作る魔法に使われた」
もしかして、この話長い……? え、いつまで続くんだ!?
「そして、その二つから開発されたのが、収納魔法。世界から切り離した別次元の空間を一つの箱と称し、その空間を最大まで遅延させることで、世界から完全に切り離された、正に収納箱を作ることに成功したのじゃ!
それが収納魔法の始まりじゃ……。
しかし、いくら開発しても我々は一つの問題にぶつかった。
それが収納限界じゃ。分かるじゃろうか。確かに世界から空間を切り離し、別の箱の作成に成功したが、切り離した空間は有限であることを。
つまり、約100センチ×100×100の空間を切り離した時に、得られる空間の広さは、1万
さらに、それを巨大化させるには、より広い範囲を切り離せば良いという単純な話なのじゃかな……それが、収納魔法を発動し、一定の範囲を切り離した時、切り離した範囲によって、発動者の魔力消費量が違うのじゃ……。
つまり燃費が最悪な上に、収納限界が割に合わないというな」
収納魔法の起源かぁ……だんだん眠たくなってきたぞ……。
「そこで我々の研究は次の段階へと進む。それが正に現在に至るという問題なのじゃが。
勿論、切り離した空間を広げれば良いと言う話なのだが、それを低燃費且つ、大容量で維持するには、多重魔法というものがあってだな。
一度切り離した空間をさらに切り離すことで、名付けて内ポケット計画じゃ!
良く、ズボンのポケットの中に更に小さなポケットがあるのが分かるじゃろ? アレじゃよ。本来使い道が分からないアレから着想を得たのじゃ!
だがの、確かに容量は増えた。ただ拡張するだけでは無いので、燃費も良くなった。しかしじゃ!
良く考えてみておれ、ポケットの中に更に小さなポケットを作るじゃろ? そしてその中に更に小さなポケットを作り、それを続けるとどうなるのか。
内ポケットだけで収納限界に達してしまうんじゃい!! おぉん!? 広げたつもりが狭くなるとはどう言うことじゃ!
はーっはーっ……すまん。取り乱してしもうたわ。
つまりそう言うこと。わしらは長年収納魔法を研究するも、その答えが未だに見つかっておらん。だがその答えを、なんとお主が持っておる!! 教えてくれ……その答えを」
長かったーーー!!!
やべー、一瞬立ち眩みしたぞ?
さて、収納魔法の答えか。なに簡単だ。
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