第2話 女騎士怖えええ

 ひょんなことから異世界転生して、お嬢様助けて、お礼イベント発生!


「そうですね。お礼と言ってもここでは何も渡せませんので、王国まで来てくれませんか? と言っても馬車はもう操者もいませんが……」


「分かりましたぁ! 歩いていける距離なんですかぁ?」


「いえ、歩きだと3日は掛かるでしょう……」


 なんてこった! もっと早く助けてたら操者も生きてたのかなー。

 そうしていると、背後から馬の蹄の音と共に、お嬢様を呼ぶ叫び声が聞こえた。


「お嬢様ぁー! ご無事ですかーっ! くっ、穢れ者めーっ! そこから離れろー!」


 女騎士だった。なんかすげえ殺意向けてくるからコイツも仕舞っちゃおう! 収納ボックス・イン! もうコレが決め台詞でいいや!


「な、なに!? うわああああぁ!!」


収納:Lv1[収納限界100/005]

・盗賊×3[内×2交戦中、×1死亡]

・アリア

・馬×1

《1件のメッセージを受信しました》


 よしコレで万事解決! ってなんか一人死んでる!? 収納Boxの中って、共有部屋なのかよ!?

 まぁ……死んでもいい人間ならいっか!

 あとこのメッセージってのは……?


《1件のメッセージを開封します》

《アリア「ここは何処だ!? 盗賊なんかがいる部屋に連れ込みやがって! 今すぐここから出せ! お嬢様に指一本でも触れて見ろ……殺してやる」》


 なんかめちゃくちゃ怒ってるー。俺、なんもしてないんだけどなぁー。どちらかと言うと助けた方なんだけどなー。


 そうだぁ! お嬢様もぶち込めば、弁明してくれるかも!


「お嬢様ぁ。なんかアリアっていう女騎士が僕にブチ切れまくってるんだけど弁明してくれなーい?」


「え、別に構いませんが……どうやって?」


「こうやってだよ」


「きゃああああっ!」


収納:Lv1[収納限界100/006]

・盗賊×3[内×3死亡]

・アリア

・馬×1

・ルクレティア=アイリス・リグレッド

《1件のメッセージを受信しました》

《メッセージを開封します》

《アリア「貴様あああああッッ!! 今すぐ! 今すぐにぶっ殺してやるううう!!」》


 お嬢様、上手くやってくれよ!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る