第2話
「ご謙遜なさらず!!
誰よりも過酷な所へいかれたのですからどうぞ胸をお張りください。」
「そうかなぁ…?」
「そうですよ!日本の令和といえば!!食糧難に水不足で大量の餓死者、他国から侵略され奴◯化し大虐◯され国は事実上消滅。
その上、島国の半分以上が海の下へ沈む大災害。」
「そんな時をお過ごしになられて尚、恵まれているなんて貴方様はどれだけ徳を積んだのでしょう。」
「…は?」
「…、最後に記憶があるのは何年の何月何日ですか?」
その質問をされた瞬間、
いきなりはっと日付が頭に浮かんだ。
「2022年7月12日!!」
「あー成る程そう言うことですか。」
「貴方様はまだ人生終わってないでしょう。
全てはこれから起こる事。」
「今お話した内容の記憶は一度消しましょう。」
「待ってください!そんな時代って聞いてない…!!私そんな怖い世界には戻りたくない!」
「案ずる事はありません。その時代とその国の事情を知ったうえで、貴方様はお選びになったのです。」
「すでにその世界には我々の仲間が共にいます。徳の高い沢山の方々が、大勢共に…、」
「いや!待って!」
目の前が再び真っ黒になり、
私は病院のベットで目を覚ました。
「…まって。……ちょっとまってよ!!」
「みゆ大丈夫?!」
「先生!はなこが目を覚ましました!」
「ご自身の名前は言えますか?」
「えっ…一之瀬みゆ」
「この指は何本に見ますか?」
「…1本。」
「意識はしっかりしてるみたいですね。」
「いててて、身体中いたい。」
「あんた交通事故にあったんだよ。何日も目を覚さなかったんだから。」
泣きながらお母さんと妹が説明してくれてる。
「あんなに酷い事故だったのに、左足の骨折のみ。
命に別状がなかったのは奇跡だったと思います。」
私はどうやら運転中に玉突き事故に巻き込まれたらしく、
渋滞中の首都高でトラックとトラックの間に挟まれ
本来即死と思われる状況の中、生き残ったらしい。
鞭打ちで身体中痛いけど、
鏡をまじまじ見ても、
左足以外に特に目立った外傷はない。
「丈夫なのだけが取り柄で本当に良かったね。」
「……うん。」
令和 @hanakoh
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