叡智の結晶

ヨートロー

第1話

 人類がこの世に誕生してから数十世紀が経ち、近代において科学技術は加速度的に成長した。


 発達しすぎた科学は魔法と見分けがつかないと昔誰かが言ったんだとか。


 事実、魔法のようなことができるようになった。


 人の身体を流れる微弱電流に反応して筋肉の動きをアシストする機械に始まり、『人間の意志』に呼応する機械があらゆる形で生み出されていった。


 次第に、電流を超え、脳波を感知することで機械を完璧に思い通りに動かすことも可能になった。


 動作に必要な非常に高度な演算を人の脳に任せ、機械はその命令を正確に実行する。


 人と機械の融合は人をより高みへと導いた。


 だが、代わりに機械の本来の能力に制限が掛かるようになった。


 機械は人間の反応速度を遥かに超える動作を可能とするのに、人はいつまで経っても成長しない。


 脳にチップを入れるだけでは意味がないのだ。


 人間のシンカを問われる時期が来たのだ。


 普段人間が使用する脳は全体の5%〜10%未満だという。


 人間はこれを危機的な状況に陥ったときや、スポーツの中で深い集中に入ったときに制限が外れ、本来であればありえないょうな動きを可能にすることがある。


 これを、人為的に外そうという研究が世界各地で行われ、長い年月をかけ、成功を収めた。


 人類は機械と深い同調を可能としあらゆる事柄が高速化していった。


 そして人類は遂に、








 全開の脳の負荷に耐えきれず身体が崩れ、データ化しようにも容量が大きすぎて足りず、滅亡した。


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