第9話 は虫類の目
次の日も栗田結衣と顔付き合わせ昼食をとった。
弁当をひろげ、彼女がスマホを向ける間、お預けをくらったのも同じ。
その間、栗田結衣の顔を間近でまじまじと観察した。
最初のうちは、今風の娘らしく小顔で可愛らしく見えていたのだが、何か違和感があった。いったい何なのやろ?
ああ、目や。異様に大きく、は虫類のような目をしている。日本人なのに青みがかった目。瞼の上に何色もの色が重なって、瞬きをするたび睫がファサ、ファサと音をたてそうや。
妻のミカがいつもすっぴんに近いので珍しい生き物を見ているようやった。
「リョウさん、そんなに見詰めないでください。恥ずかしい」
「いや、栗田さんの目が青いのは外国人の家系なの?」
「ハハハッ、いやだ、リョウさんったら」
栗田は遼平の腕を軽く叩きながら言った。
そんなことしたのは「スナックあけみ」のあけみママくらいだ。
「カラコン、カラーコンタクトレンズですよう」
今日は取られる前に、厚焼き卵を先に食べた。確かに、ちょっと甘い。
「リョウさん、結衣ね、一人暮らし始めたんですう。お友だちがいなくて淋しいから今度、遊びに来てくださーい」
えっ、俺、誘われてるのか?
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