第2話 シオンママ
洗濯機を回しながら、キッチンで洗い物をすませたミカは、ベランダの扉を開け放ち網戸に代えた。最近の勇気はおもちゃを出しっぱなしにするようなこともなくなって、部屋も散らかってはいないけど、手早く掃除機をかけた。掃除機のスイッチを止めると同時に玄関のチャイムが鳴る。
「おはよう」
「おはよう、上がってもええ?」
「どうぞ、どうぞ」
シオンママは幼稚園にシオンちゃんを送った足で、そのままここに来たと言う。
「アイスにする? それともホット?」
「アイスがええ。9月になってもまだまだ暑いわ。ねえ、ソファー新しくしたん?」
「うちの旦那がね、気分を変えたいって、白いソファーを選んで来たん」
「白やなんて、お宅のパパさんチャレンジャーやわ」
シオンママはテーブルの上に置いてあるティッシュペーパーで額の汗を拭って、アイスコーヒーをゴク、ゴクと流しこんだ。
ミカは慌ててベランダの戸を閉め、エアコンのスイッチを入れた。
「はよせな、韓国ドラマ始まってまうで」
シオンママはテーブルの上のリモコンを手慣れた様子で操作した。
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